動物保護団体PETAが『あつまれ どうぶつの森』の“博物館”に押し寄せフータに抗議。魚たちを解放せよ
動物保護団体のPETA(People for the Ethical Treatment of Animals)が、『あつまれ どうぶつの森』内で抗議活動をしているようだ。同団体は、活動の様子を映した動画をTikTokに投稿し、のちにTwitterでも公開している。このデモ活動は、どうやら博物館のフータに抗議するもの。
動画内では、PETAのTシャツを着たプレイヤーたちが、「水槽を空にせよ」「魚は海のものだ」という看板を立て、抗議している姿が確認できる。複数のプレイヤーがおり、どうやら集団で活動している模様。博物館内に侵入したプレイヤーたちは「水槽を空にせよ!」とメッセージを発しながら走り回り、フータを囲んでいる。フータはわけもわからずきょとんとしている様子。また水槽の前に立ち、「主張」のエモートをしながら、またしても「水槽を空にせよ」と抗議。魚は友達であるとし、解放するように促している。最後には、テキストメッセージにて、フータこそが村人たちに魚を持ってこさせている元凶であり、彼が魚を水槽に閉じ込めていると主張。ハッシュタグ#BlathersIsOverParty(著名人の行き過ぎた行動を咎めるタグ)をつけながら、フータに水槽を空にせよと伝えようと、人々に促している。
ようするに、PETAは魚の保護を訴える活動をしているのだ。魚を捕まえて水槽に入れるのではなく、自然のままにするべきであると。一方で、どこかコミカルさが否めないこの抗議活動。7人のPETA関係者が『あつまれ どうぶつの森』を立ち上げ、ゲーム内でデモ活動をしているというのもなんとも奇妙な話であるが、誰もいない博物館内で騒ぎ散らし、フータに抗議するという内容もどこかファンタジー。そもそもであるが、フータはNPCであり、意見を伝えることはできない。できるとすれば、やたらと虫を見せて嫌がらせすることぐらいである。フータに水槽を空にしてくれと言ったところ、何の意味もないのだ。むしろ、このコメディじみた抗議活動は、PETAの意図するところだろう。
PETAは以前にも『あつまれ どうぶつの森』を使い、動物の保護活動を促していた。ヴィーガンのための『あつまれ どうぶつの森』ガイドと題された記事では、魚や虫を捕まえることは自然の摂理に反すると、ゲーム内スクリーンショットを添えて投稿。どこまで本気かわからない奇妙な抗議記事は、全世界でシェアされていた(関連記事)。今回の活動は、こうした抗議記事の反響を受けてのものだろう。
一方で、今回の博物館内抗議は、前回よりもコメディ寄り。以前の記事でも『あつまれ どうぶつの森』のシステムを批判しながらも、がっつりゲームを遊んでいることが感じられるスクリーンショットを添付し突っ込まれていたPETA。今回は7人のプレイヤーで抗議するという本気っぷり。つまるところ、少なくとも7人以上の関係者が『あつまれ どうぶつの森』を購入し遊んでいるということである。フータに抗議するという謎めいた目的も、あえてシリアスさを感じさせないために“ズラしている”のかもしれない。いずれにせよ、なんだか楽しげな抗議映像になっている。
なおPETAの提唱するハッシュタグ#BlathersIsOverPartyについては、さまざまな投稿が寄せられており、それなりに盛り上がっている模様。PETA自身もこのタグを使いながら、海棲生物たちのあり方を問う抗議ツイートを展開している。ハッシュタグの多くはPETAを皮肉ったり批判する声である。一方で、同愛護団体の『あつまれ どうぶつの森』を介した活動が、さまざまな人の関心を集めているのは確かなようだ。