Epic Gamesは5月15日、サードパーティ・デジタルセールス・プラットフォーム3社と「キーレス購入」に関するパートナーシップを結んだことを発表。すでにキーレス購入を実現しているHumble Storeに加えて、Fanatical、Green Man Gaming、Genba Digitalが、Epic Gamesストアで販売されているタイトルのキーレス購入機能を提供する。これにより、提携先の販売サイトを経由してEpic Gamesストア版のPCゲームを購入する際、Epic Gamesストアのアカウントとリンクするだけでゲームを有効化できる。引き換えコードの交換を含む、キー引き換えのステップが不要となるのだ。
FanaticalとGreen Man Gaming(以下、GMG)は、ゲームキーを取り扱う小売業者。多くのパブリッシャーから公認された著名販売サイトだ。Genba Digitalは、パブリッシャーから小売業者へのゲームキー引き渡しを自動化するデジタル・ロジスティクス・プラットフォーム「GENBA」の運営元。今回の提携にあたり、キーレス購入を実現するためのソリューションを提供している。各社はGenba Digitalのネットワークを活用することで、安全なキーレス販売ルートを確立する。なおGMGのCEO Paul Sulyok氏は、APIの実装によりEpic Gamesストアのゲームカタログに直接アクセスできるようになるとコメント(Twinfinite)。ユーザーが恩恵を受けられるのはもちろんのこと、小売業者としてもキーレス化により仕入れの負担が減るメリットがありそうだ。
Epic Gamesは、Epic Gamesストアの機能充実化を進めており、キーレスパートナーの発表だけでなく「セルフサービスによる払い戻し」「ダウンロード時の帯域幅の管理機能」の追加もアナウンスしている。セルフサービスによる払い戻しは、一定条件を満たしていれば、購入したコンテンツを自分で払い戻しできる機能だ。セルフサービスで払い戻しできるのは、購入から14日以内かつゲームのプレイ時間が2時間未満の場合。ただし、ユーザーが利用停止処分を受けた場合、利用規約に違反した場合、もしくは払い戻しポリシーを悪用していると判断された場合には、払い戻し対象外となる可能性がある。
帯域幅の管理は、帯域幅が制限されているユーザーが、転送量制限を設けてコンテンツのインストールとアップデートをおこなうための新機能。Epic Games Launcherの設定項目から有効化できる。そのほか同ストアでは、サポート対象通貨を追加(CAD、AUD、SEK、DKK、NOK)。将来的にはMODマーケットプレースや、成果(実績やアチーブメントに相当する機能)の実装を予定している(公式サイト)。Epic Gamesストアは2018年12月の発表以来、新作の時限独占路線やストアとしての機能不足が指摘されてきたが、機能の充実化によりユーザーフレンドリーなストアへの成長を目指していることがうかがえる。
Epic Gamesストアでは、6月12日0時まで「Epicメガセール」を開催中。独占販売タイトルを含めた140作品がセール価格で手に入るほか、1480円以上のゲームおよびアドオンが1000円引きとなるEpicクーポンが配布されている(関連記事)。なおEpic Gamesストアでは、コンテンツを購入してからすぐにセールが始まった場合、「購入に対する全額払い戻しを受けた後、直ちに製品を再購入することができます」と払い戻しポリシーに記載されている。さらに海外メディアの報道によると、ユーザー側が返金対応を求めなくても、自動的にセール価格との差額分が払い戻されるケースもあるようだ(Kotaku)。こうしたEpic Gamesの対応には、購入まわりの不満を減らす効果があるだろう。