インディーゲームパブリッシャーのtinyBuildは、新作アクションアドベンチャー『Waking』を6月18日(日本時間では6月19日)にリリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)とXbox One。本作は個人デベロッパーJason Oda氏が率いるチームの作品で、2017年のE3にて『Coma』のタイトルでアナウンスされていたもの。また、Xbox One版の配信にあたってはマイクロソフトの自主販売サポートプログラム「ID@Xbox」の支援を受けている。
本作は三人称視点によるゲーム内での探索と、現実世界でプレイヤーが瞑想を行うことによって成立するユニークな作品だ。作中ではときにガイドの声が流れ、「目を閉じ、深く息を吸って」といった指示を与える。こうした実際の瞑想メソッドに従い、自らの経験・恐怖・欲望を呼び起こしながらプレイすることで、『Waking』は遊んだ人間に固有の体験を与えるという。
プレイヤーが操作するキャラクターは、ある病室で深い昏睡状態に陥った人間だ。その精神は無意識の世界に迷いこみ、目覚めへと誘う声に導かれながら旅をすることになる。夢の世界は自我や記憶の投影で形づくられており、複雑に入り組んだ道のりがプレイヤーを待ち受けている。フィールドの95%は自動生成され、ランダムで迷宮が形づくられるという。トレイラーからは薄くもやのかかった原野や暗い洞窟などが確認でき、多彩な景色が待ち受けているようだ。
旅路では死の使い「ソムヌス」をはじめ、主人公を深い眠りにとどめようとする相手とたびたび対峙することになる。敵はプリミティブな仮面を身につけた巨大な獣人から、光り輝く弾幕を展開する無機物までバリエーションに富む。本作のバトルは『ダークソウル』シリーズのファンを意識して設計されているとのことで、ハイレベルな立ち回りが要求されそうだ。プレイヤーはテレキネシス能力を使いながら、オブジェクトを敵にぶつけたり盾として身を防いだりすることが可能。バックスタブによるボーナスダメージを狙うこともでき、戦略を練ることも重要になるだろう。ただし幻想的なフィールドウォークだけを楽しみたいプレイヤーは難易度を下げることも可能とのことなので、プレイスタイルに合った遊び方ができそうだ。
また作中では「あなたの人生におけるもっとも強い欲望は何?」「あなたの母親はどんな人? 愛情にあふれた人、困った人?」という具合に、プレイヤーのパーソナリティにかかわる質問が投げかけられることがある。これらの答えとなるアイテムを選択していくことでキャラクターの武器が決定されるという。スクリーンショットでは最初の武器が「Fairfieldの土くれ」になっている様子が確認できる。ちなみにFairfieldはOda氏の出身地。プレイヤーの実際の故郷や幼少期の記憶にまつわる単語を入力することで、ゲーム内のアイテムに反映されるシステムなのかもしれない。また「愛する人」や「むかし飼っていたペット」を答えることで、彼らがパートナーとして旅に同行してくれる場面もある。青白く光る身体で暗い道のりをガイドしてくれるほか、「脳のシナプス」を修繕する手助けをしてくれるという。シナプスは白く輝く回廊のように表現されており、これを直していくことが目覚めにつながる鍵にもなりそうだ。
クリエイターのJason Oda氏は米国に拠点をおく個人デベロッパーだ。もとは商業ゲームの開発に携わっていたが、いちど生死にかかわる経験をしてからは人生観が変化。よりパーソナルで内省的なアートゲームの開発に取り組むようになった。過去作としては、ゲーム内で死亡したキャラクターがRAMから削除される前に安息の地を求める『Continue?9876543210』などがある。本作においても、同氏独特の世界観が表れている。
アクション要素も絡めつつ、プレイヤー個人の体験をゲームプレイに取り込む独自のスタイルを展開する『Waking』。本作はPC(Steam)とXbox One向けに、日本時間の6月19日にリリースされる予定だ。