『ポケットモンスター ソード・シールド』の「切断バグ」利用者にBANの鉄槌下り始める。疑心暗鬼の対戦環境は改善されるか


『ポケットモンスター ソード・シールド』の対戦環境でおこなわれている「切断バグ」について、処分が下されているようだ。株式会社ポケモンが5月1日に、具体的な対処方法を発表しているほか、SNS上では「切断バグ」利用者から「処分された」という報告が出てきている。

「切断バグ」とは、対戦中に特定の操作をすることで、対戦結果を無効にするというもの。『ポケットモンスター ソード・シールド』のランクバトルにおいては、対戦中にインターネットへの接続が切断されてしまった場合、その切断が故意か何らかのトラブルによるものかに関わらず、切断を行った側のプレイヤーの負けとなり、レートも下降する。しかし、現在の『ポケットモンスター ソード・シールド』の環境では、対戦中に特定の操作をおこなうと、切断にともなうレートの下降を無効化できてしまう。負けた試合にてこの切断バグをおこなうことで、負け知らずの戦績が生まれ、上位に残り続けることができるわけだ。

ややこしいのが、このバグが上位マッチでも確認されており、上位帯プレイヤーの中にも使用者がいると報告されていること。各シーズンの上位をとったとしても、「切断バグ使用者ではないか」と疑われてしまう。ルールやマナーを守っている実力あるプレイヤーもまた疑惑を抱かれるという、過酷な環境ができつつある。

株式会社ポケモンはこのバグを認識しており、4月上旬に不正操作・迷惑行為をおこなうプレイヤーにはアカウントのBANをおこなっていくことを表明。5月1日には「2020 International Challenge April」での対応発表に際して、より具体的な処罰が告知されており、処分内容は以下のとおりとなっている:

 

■「2020 International Challenge April」のランキング集計の対象外とさせていただきます。
■『ポケットモンスター ソード・シールド』におけるインターネット通信を利用した遊びを一時的に制限させていただきます。

※対象となったプレイヤーはランクバトル、マジカル交換、その他インターネットを使用する機能が利用できず、以下のメッセージが表示されます。
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エラーコード
2124-5114
お使いのニンテンドーアカウントは、このソフトのネットワークサービスの利用が制限されています。
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なお、今後もこのような不正操作・迷惑行為が繰り返し行われていると確認された場合は、今後開催されるランクバトルやインターネット大会のランキングからの除外、およびライブ大会等の出場権のはく奪、また『ポケットモンスター ソード・シールド』でのインターネットを介した全てのコンテンツの利用を一時的または永続的に停止する、といった対応を行わせていただく場合がございます。

 

つまり、「切断バグ」が確認された場合には、利用者側には2124-5114エラーが発生。大会での参加資格を失うほか、一定期間に『ポケットモンスター ソード・シールド』にまつわるネットワークコンテンツが利用できなくなる。実際に、同エラーコードによる利用制限を報告しているプレイヤーも存在しており、処罰は本格的に開始されているようだ。また中には、2124-4607なるエラーコードも存在し、こちらが表示されると永久にネットワークを利用できなくなるとの噂も。真偽は不明であるが、不正を繰り返していれば永久BAN処分を受けることは想像に難くない。

https://twitter.com/PKTNT810/status/1257285075139358721

一方で、「切断バグ」への処罰が適切に下されているかは不明。というのも、不正利用をしていないと主張するユーザーから、2124-5114エラーによって処分されたとの声も寄せられているからだ。またこうした処分発表があったにもかかわらず、引き続き「切断バグ」に遭遇したとの声も散見される。「切断バグ」の性質上、不正利用者がBANを受けたと声をあげづらいことを考慮すると、裏で多くの不正ユーザーが処分されている可能性もある。

対戦環境に「切断バグ」が存在する限り、『ポケットモンスター ソード・シールド』ランクマッチの名誉には常に疑惑がつきまとう。悪意あるユーザーは、「切断バグ」を利用する上位プレイヤーを謳い、他プレイヤーのモチベーションを減退させようとする振る舞いを見せている。対戦環境としては、かなり辛い状況だ。競技シーンでも人気のある『ポケットモンスター ソード・シールド』。DLC発売までに「切断バグ」が解消され、互いを疑いあうことなく、相手をリスペクトできる、そんな環境が整えられることが望まれるだろう。