あなたの部屋のコーディネイト、代行します——そんなコンサルタントがいま、『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』界隈に登場している。
ガーデニング、DIY、道路整備。本作でできることは膨大だ。時には自分の手には負えなくなることもあるだろう。そんなとき簡単にほかの誰かの手を借りることができるのは、いまの時代に生まれた本作ならではの醍醐味といえる。たとえば生い茂る雑草に頭を悩ませているなら、専門業者に除草を依頼してしまえばいいのだ(関連記事)。
そして多くのプレイヤーの楽しみでもあり、悩みの種でもあるのが自宅のコーディネイト。DIYを駆使して生み出せる家具の組み合わせはほぼ無限大ともいえる。SNSを見ればハイセンスな部屋の数々をいくつも見つけることができるだろう。一方、自由度が高いだけに素敵な部屋を生み出すにはある程度のセンスが必要なことも事実だ。
またありがちなのが、「収納欲しさに部屋を増築したけど、何を置いたらいいかわからない」といったケースだろう。本作では初期のマイホームにおけるアイテム収納容量は80個。やり込むにあたり道具や素材を大量にストックするなら、増築は避けて通れない道だ。たぬきちに頼んで部屋を増やすにつれ、自宅に備蓄できるアイテムも拡大していく。しかし“収納のオマケ”として増えゆく部屋に何を置くべきかわからず、結局そこも物置部屋に……というプレイヤーも少なくない。自身でコーディネートすることこそが本作の醍醐味であるが、そこを丸投げしたいというユーザーも、一部いることだろう。
ここにブルーオーシャンを見出したのがイギリスに拠点を置くインテリア専門企業、Olivia’sだ。同社のウェブサイトからは洗練されたチェアやテーブルを購入できる。もちろん販売されているのはあくまで「現実の」調度品。ところがOlivia’sはこのたび、新たなサービスとして『あつ森』におけるインテリアコーディネートのコンサルタントを開始する。5月4日、自社ブログにて発表した。
パーソナル・コンサルタントに依頼した場合、まず担当者がクライアントのマイホームにやってくる。その上で現在のコーディネイトのどこが良いか/どこを改善すべきかを、理由とともに個別でアドバイスしてくれるのだという。また「バーチャルな風水」についての特別なTIPSについても明かしてくれるという記載もある。
こちらが提示したベル金額の予算内でコーディネイト改善案を提示してくれるとのことで、実際のインテリアコーディネイターと遜色ない仕事を『あつ森』内でこなしてくれるようだ。また、将来的に家主の好みが変わったときにチェンジ可能ないくつかのコーディネイト案を用意しておいてくれるとのこと。初回のコンサルタントはおおむね1時間程度となる。しかし必要があれば、追加のアドバイスや担当者の再訪問を頼むことも可能だ。
一方で気になるのは、支払いだ。実際のところ、おいくらになるのだろうか。本誌がメールで問い合わせたところ、支払いがリアルマネーになるかベルになるかは、クライアントとデザイナー間の話し合いによって決まるという。また支払額について、Olivia’sからの提示金額は1時間につき40ポンド(日本円で約5200円)とされているが、ケースにより変動するという。Olivia’s全体のポリシーというよりは、個別のコンサルタントの裁量に任せる部分が大きいようだ。
Olivia’sが今回の事業に力を入れていることは、同社が『あつ森』専門のバーチャル・インテリアコーディネーターの人材募集を行っているところからもうかがえる。必要とされるスキルは、まず『あつ森』に対する知識が絶対条件。くわえて高いコミュニケーションスキルが要求される。またリモート・ワークに対する適性や、必須ではないがインテリアデザイン経験の職歴があると好ましいそうだ。
「コーディネイトの自由度の高さ」と「オンラインによる人手の借りやすさ」はシリーズ最新作である本作の特徴だ。建築ゲームの大家『マインクラフト』でも建設コンサルタントが登場したように(関連記事)、『あつ森』においても今後さまざまな「専門業者」が現れるのかもしれない。Olivia’sのインテリアコンサルタントは、同社ホームページのフォームから依頼可能。部屋コーデに行き詰まったら、もしくはプロの腕前を見てみたければ、申し込むといいだろう。