スクエニ『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』高評価スタート。石化マニアを含め多くのファンを喜ばし、前作による懸念を払拭

スクウェア・エニックスが4月24日に発売した『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』が高い評価を集め、良い出足を見せているようだ。特に石化表現の評価が高くなっている。

スクウェア・エニックスが4月24日に発売した『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』が高い評価を集め、良い出足を見せているようだ。Steamのレビューステータスは4月27日19時時点で600件以上の評価が寄せられ「非常に好評」、メタスコアにおいてもPS4版が77/100、Nintendo Switch版が76/100と手堅い数字を記録中。前作『聖剣伝説2 シークレット オブ マナ』からは一転し、好スタートを見せた。

『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』は、1995年にスーパーファミコンで発売された『聖剣伝説3』をフルリメイクした作品だ。6 人のキャラクターの組み合わせによって物語の展開が変わる、トライアングルストーリーシステムを導入。新たにキャラクターボイスが収録され、パーティーメンバーによって会話パターンは変化。バトルシステムを再構築し、4段階の難易度選択や全回復機能、4種類のショートカットを登録できる便利機能も搭載される。また、本編クリア後には、冒険終盤にさかのぼる新エピソードを追加。新エピソードでは、オリジナル版の最上位クラスであるクラス3の上級クラスとなるクラス4が実装。原作の要素を残しつつも、現世代向けのビジュアルやアクションを搭載したフルリメイク作品となっている。

スクウェア・エニックスは、『聖剣伝説2』のフルリメイク作品として『聖剣伝説2 シークレット オブ マナ』を2018年2月に発売。人気作を蘇らせたものの、グラフィック面に演出面、バランス面、バグの多さ(アップデートで修正)など複数の点で不評が寄せられており、Steam版のレビューステータスは賛否両論。メタスコアはPS4版が63、PC版が57。ややほろ苦い評価を受けることとなった。

そうした部分を踏まえてか、今作ではUnreal Engine 4を採用し、ビジュアルはかなりリッチに仕上げられている。前作で一定の評価を獲得したフルボイス化は引き継がれつつ、ビジュアルに留まらずサウンド面や演出面など多岐にわたる点で大幅なパワーアップが果たされている。前リメイク作から定価が1000円引き上げられているが、その引き上げに違わぬクオリティ。ゲーム全体としての評価も高いが、一部ファンを喜ばせているのは「石化」についてである。

本作では、火山島ブッカや灼熱の砂漠に出現するコカトリスなどが、石化攻撃を繰り出す。この石化表現がやたらと作り込まれているとされておりSNSで話題を呼んでいる。石化のグラフィックの質感に加えて、ポーズの多彩さに定評があるようだ。石化や凍結した画像を投稿する、確かな目を持つTwitterユーザーであるペトラクラゲ氏が絶賛するほか、数多くのユーザーがその“石化具合”を評している。固有モーションで簡素な石テクスチャが貼られた石化ではなく、光沢を見せながらも石らしさを失わないリッチな質感に、それぞれのモーションに対応した多彩なポーズ。石化クオリティの高さは、『無双OROCHI3』の石化、『ドラゴンクエストXI』の黄金化、『スターオーシャン5』の凍結などと並べて褒められている。

https://twitter.com/petori_stone/status/1253893808367890433

石化への作り込みはすなわち、本作のビジュアルへの作り込みを意味する。リッチなビジュアルをもって、美しく原作の世界を表現する。妥協のないこだわりが「石化」という形でユーザーに届いたと言える。すべては本作の売り上げが鍵を握るだろうが、品質と評価を見る限りでは、模索を続けていた『聖剣伝説』シリーズの未来に、また光が差し込んできたと表現できるかもしれない。もちろん、ビジュアルだけでなくアクションゲームとしての操作感やサウンド面など魅力も多い本作。まずは体験版をダウンロードしてみて、その出来栄えを確認してみるといいだろう。なお、体験版では石化シーンは味わえないのであしからず。

『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』は、PC(Steam)/PS4/Nintendo Switch向けに発売中だ。セーブデータを本編に引き継ぎできる体験版も配信されている。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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