傑作SFシューターのリマスター版『Crysis Remastered』発表、今年の夏リリースへ。リンシャン島での戦いが鮮やかに蘇る


ドイツのゲームスタジオCrytekは4月17日、『Crysis Remastered』を発表した。本作は、2007年に発売された『Crysis』のリマスター版となる。対応プラットフォームはPC/PS4 /Nintendo Switch/Xbox Oneで、発売時期は2020年夏が予定されている。『Crysis3』のリリースから約7年。長きにわたる沈黙を破り、この度シリーズ第1作目が刷新されることとなった。なおオンライン要素は実装されず、キャンペーンのみの収録になるとのこと。

リマスター元となる『Crysis』は、近未来SFシューター作品として2007年に発売。舞台となるのは、フィリピン海に浮かぶリンシャン島。米国はこの島の遺跡調査を目的に、考古学研究チームを送り込んだ。しかし同時に進軍していた北朝鮮軍より、島は占領されてしまう。救難信号を受け取った米国陸軍はNANOスーツを身にまとう特殊部隊、ラプターチームを派遣。プレイヤーは隊員のひとりであるノーマッドとなり、人智を越えた存在に立ち向かうこととなる。

ゲームプレイについては、道中のルート分岐システムが特徴のひとつとして挙げられるだろう。ひとつのフィールドに海や密林、都市部などさまざまな環境が用意されており、プレイヤーは随所で向かう方向を選択することができる。またCrytek社謹製のゲームエンジンCryEngineを採用するグラフィックは、崩壊した孤島を鮮やかに描く。そして今回発表されたリマスター版においては、さらに映像面を強化。高品質HDテクスチャや高いレベルのアンチエイリアス技術 を取り入れ、ビジュアルの大幅なグレードアップが図られるようだ。

また前述した点にくわえ、ソフトウェアベースのレイトレーシング技術やスクリーンスペースリフレクションなど、最新の機能も実装されるという。CryEngineと言えば『Far Cry』初期シリーズをはじめ、最近の作品では『Hunt: Showdown』などにも採用されている。いずれのビジュアルもフォトリアルに仕上がっており、『Crysis Remastered』においてもその映像美を堪能できることだろう。なお今回のリマスター開発にあたっては、『WORLD WAR Z』などを手がけるSaber Interactiveとタッグを組んでいるようだ。

今回サプライズ発表に近い形で開発が明かされた『Crysis Remastered』であるが、実は先日より公式は、何かを匂わせるような動きを見せていた。具体的には4月14日、『Crysis』公式Twitterアカウントにつぶやきが投稿されたのだ。それも約4年ぶりに。「RECEIVING DATA」と謎めいた文言、そして翌日には「Hey Nomad, you’re still with us?」と、初代OPにて交わされたセリフが投稿され、シリーズファンからのコメントが多数寄せられる状況にあった。そんななか、今回1作目のリマスター版が正式に発表されたわけだ。

今回の発表にあたりCrytekにてCEO を務めるAvni Yerli氏は、「すべてのシリーズファンに向けて、立派なリマスターを届けられることに興奮している」と述べている。また「PCや現行のコンソール機をはじめ、今回Nintendo Switch向けにもリリースできることで新たなプレイヤー層を開拓できるだろう」とも語っていることから、今後のCrytekにとっても『Crysis Remastered』のリリースは大きな意味を持つものになるのだろう。

Crysis Remastered』は、2020年夏リリース予定。なお、国内コンソールに向けた展開については現時点で明かされていない。ただしシリーズ1から3作目に関しては国内向けにも販売されていたことから、『Crysis Remastered』もまた国内コンソール機向けに販売される可能性は高いだろう。