中世歴史ストラテジー『Crusader Kings III』では両性愛者・無性愛者の為政者になれる。多彩な文化と“もしも”をシミュレーション

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スウェーデンのパブリッシャーParadox Interactiveが開発を進める『Crusader Kings III(以下、CK3)』は、中世ヨーロッパを舞台とする歴史シミュレーションシリーズの最新作だ。PC(Steam)/Xbox One(Xbox Game Pass)向けに2020年内のリリースが予定されている。

プレイヤーは強大な王国、あるいは行政地区の盟主として、領土の拡大と発展を目指す。政略結婚・外交・戦争などあらゆる手段で名声を高めることができ、その舞台はスペインからインド、スカンジナビアから中央アフリカまで広がるという。本作は非常に緻密な歴史考証のうえに成り立つゲームでありながら、あえて史実を「無視」できることも特徴だ。たとえば男性社会の中世にあって、あえて女王を君臨させ代々女系の王朝を確立することも可能。そしてさらなる特徴として、プレイヤーは自らのセクシュアリティ・性的指向を設定することもできるという。開発者によるDev Diary#22にて報告されている。

前作『Crusader Kings II』では、自らの性的指向を異性愛者/同性愛者のふたつから選択することができた。今作ではさらに「両性愛者」「無性愛者」もオプションに加わる。両性愛者(バイセクシャル)は異性・同性の双方に性的魅力を感じる指向のこと。対して無性愛者(アセクシャル)は、異性・同性いずれの他者に対しても性的魅力を感じない性質を指す。『CK3』ではセクシュアリティを設定する専用のインターフェースが存在し、異性愛がデフォルトにされるわけではない旨が述べられている。

本作では主人公の性的指向だけでなく、国の信仰におけるセクシュアリティ観を定めることも可能だ。デフォルト状態では、自分がプレイしている地域の史実に沿った価値観が設定されている。しかしオプションしだいでは特定の性的指向が「認められている」または「もっとも一般的である」、あるいは「平等である」などの設定をすることができる。「平等」を選んだ場合は、その国では異性愛・同性愛・両性愛・無性愛がすべて等しく扱われることになる。

こうした自由度の背景には「深い没入感のある経験をもたらすために、多様な文化や信仰を緻密に・正確に描くことを目指してきた」という開発陣の狙いがあるだろう。またParadoxが“お楽しみ要素”と謳ってはばからないのが、「高圧的な叔父を罠にかける」「土地と遺産目当てでお金持ちの女公爵と結婚する」といった、権謀術数の数々。人間の業を主軸にした本作において、セクシュアリティは避けがたいテーマともいえる。

ただし「いちど決めた性的指向は変化しない」「性的指向と恋愛指向が必ず一致する」など、現実と異なる描写がある点には注意。このあたりはシステムを簡略化するためのチューニングかもしれない。一部描写にゲーム上の便宜が図られている一方、「性的指向とは異なる性行動をとる」といった複雑なロールを演じることもできる。たとえば「同性愛が認められていない」社会でプレイヤーが異性愛者を操作していた場合、自らの性的指向にかかわらず、他の同性愛/両性愛者のNPCを誘惑することで「男色者」の罪状を負わせることが可能だ。

本作の取り組みはセクシュアリティの多様性を反映するとともに、シミュレーションとしての面白みを増すことにもなるだろう。「もし中世の人口の大半が無性愛者だったら?」といった実験的な環境を再現するなど、これまでにない遊び方が期待できそうだ。『CK3』は2020年発売予定。また前作『Crusader Kings II』がSteamにて無料配布中だ。気になった人は遊んでみるといいだろう。

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