地下鉄構内構築シム『STATIONflow』Steamにて正式リリース。日本語に対応し、独自マップの作成・共有も可能に

DMM GAMESは4月15日、地下鉄構内構築シミュレーションゲーム『STATIONflow』を、Steamにて正式リリースした。ついに日本語表示にも対応している。

DMM GAMESは4月15日、地下鉄構内構築シミュレーションゲーム『STATIONflow』を、Steamにて正式リリースした。価格は1840円。4月23日までは15%オフの1564円で購入可能。早期アクセス版からは、後述するコンテンツの追加や最適化、バグ修正がおこなわれたほか、ついに日本語表示にも対応している。

https://www.youtube.com/watch?v=yD8Cg0L1GMk

『STATIONflow』では、プレイヤーは新設された地下鉄駅の駅長となり、訪れる客の満足度を高めるため、動線の設計と施工および施設の設置と運用をおこなう。ゲーム開始時点では、マップ内には電車が乗り入れるプラットフォームと、駅の出入り口のみが配置されているため、通路などを建設してそれらを繋ぎ、出入り口をオープンさせるのだ。すると駅に客が訪れ、また電車がやってきて客の乗り降りがおこなわれるようになる。

画面下に建設メニューがあり、ここから通路などを選択してマップ内に配置し施工。異なる地下階層を繋ぐためには階段などを使用する。もっとも多用するであろう通路は長方形のパーツとして用意されているが、向きはもちろん長さや幅、また角を引っ張って形状を変化させることも可能だ。なお、マップにはグリッドが表示されているものの、建設物の配置はそれには縛られず自由である。自分なりの駅をデザインしていこう。

各出入り口とプラットフォームを繋ぐ動線が完成したら、次はどの方向に何番ホームや何番出口があるのかなどを示す方向案内の設置だ。これがないと迷った客で溢れかえり、構内は大混乱になってしまう。たとえば通路の曲がり角や交差点、あるいは広場のような場所に方向案内を設置。伸びる矢印の向きを調整し、その指した先に何があるのかを指定していく。十分に配置されていない場所では客が不満を示すため、それを参考にさらに追加すると良いだろう。

駅の出入口とプラットフォームとの動線の建設、そして方向案内の設置によって、駅の基礎がひとまず完成したことになるが、ここからが本当の始まりだと言える。開発が進むと駅のランクが上がり、新たな出入り口や路線・プラットフォームが追加されるため、駅をさらに拡張していくのだ。次第に駅を訪れる客が増え、混雑が発生している通路を広く作り替えたり、動線を追加したりと工夫が求められるだろう。方向案内の更新・追加も忘れてはならない。

客の種類も増えていき、たとえばお年寄りは階段を利用できないという特徴がある。これに対応するには、エスカレーターやエレベーターの建設が必要だ。こうした建設可能な施設も追加され、動線に使うもののほか、たとえば自動販売機やフードスタンドなど販売収益を得られるものや、お手洗いやゴミ箱、あるいは体調不良の客を受け入れる救護室や、異なる路線に乗り換える客のための券売機などを設置することが可能に。客は、特定の施設が見当たらないと不満を示すこともあるため、本作のゲームプレイにおいて客の観察は重要である。

駅では上述したような施設のほか、客が出入り口を通過する際に支払う運賃から収益を上げることが可能。また、客の満足度からはじき出された評価による報酬も存在する。つまり、客が迷うことなくそれぞれの目的地にスムーズに移動できる駅を構築することが、収益アップに繋がるということ。一方の支出は、各種建設費用と施設の維持費である。そして1日の営業時間が終わると収支が発表され、残高が翌日の予算となる。もし赤字が続き残高がゼロになると、破産となり駅長解任。ゲームオーバーだ。資金繰りがどうにも厳しい場合には、ローンを組んで借入れをおこなうこともできるが、ちゃんと返済していけるように、文字どおり駅の構造改革を急ぐことが求められるだろう。

本作には、このように経営シミュレーション要素も存在する。それほど複雑なシステムではなく、また駅を極端に急いで発展させていかない限り、破産に至ることはそうそうない。ただ、安定した収支バランスは客の満足度と直結しており、その満足度の向上を追求するために駅の構造をいじっていくのが本作の醍醐味。毎日の収支報告は、その結果を確認する場にもなっているわけだ。もちろん、予算の管理など一定の緊張感をプレイヤーに与える効果もあるだろう。

なお、本作には難易度調整機能が用意されており、施工費用や施工時間、維持費用、乗客満足度などを調節すれば、よりシビアな駅の構築・運営を楽しむこともできる。DMM GAMESによると、難易度の変更は早期アクセス中に要望が多く寄せられていた機能のひとつだったそうだ。

今回の正式リリースにあたっては新たなマップが追加され、全6種類の公式マップが用意されている。さらに、プレイヤー独自のマップの作成にも対応。公式マップとはまた異なる出入り口や路線・プラットフォームの配置などを自由にデザインした上でプレイできる。実在の地下鉄駅の再現に挑戦してみるのも良いかもしれない。作成したマップは、Steamワークショップを通じてほかのプレイヤーと共有することも可能だ。そのほか、Steamの実績機能にも新たに対応している。

本作は、ビジュアルを含め要素をシンプルにまとめ、駅の客の流れに焦点を当てたゲームプレイがユニーク。駅構築の自由度が非常に高く、ひたすら効率を追求するもよし、複雑なダンジョン駅に仕立てた上でいかに客をスムーズに流していくのかを極めるのもよし。楽しみ方はプレイヤーの数だけ存在する。また要素はシンプルながら、構内を行き交う膨大な数の客には圧倒されることだろう。複数の階層を3次元的に捉える難しさもあり、やり込みがいがある作品である。

『STATIONflow』は、現在Steamにて配信中。サウンドトラックも販売されている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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