Discordにて、サードパーティー製の機械学習テクノロジーKRISPが導入された。KRISPは、周囲の雑音を消すソリューションだ。入力された音をディープラーニング技術により人の声と騒音に分解し、人の声のみを送受信できるようにする仕組み。ヘッドセットやマイクスピーカーがない環境でも快適な通話が可能。「ONE BUTTON, NO NOISE」をコンセプトに開発されたアプリケーションである。
KRISPは、ZoomやSkypeなどでも使用できる汎用サービスであるが、このたびDiscordにてベータとして組み込まれた。PC版であれば、ボイスチャット中に左下に注目してみよう。KRISPのベータのオンオフを切り替えられる項目を確認できるはずだ。見つけられないユーザーは、ユーザー設定から、音声・ビデオ項目を選択。下にスクロールしていけば、ノイズ抑制という項目が確認できる。これをオンにしておこう。
具体的には、犬の鳴く音や扉の開閉音、もしくはゴミ袋をさわる音など、生々しい生活音を最小限にすることができる。雑音をどこまで抑制できるかは、環境によるところも大きい。オンにするとまずテストをすることができるので、そこでパフォーマンスをチェックしてみるのもいいだろう。ちなみに同テクノロジーは「非人間の声」を抑制することに長けているので、自宅住まいユーザーの両親の声などをどこまで抑制できるかは不透明だ。
導入に際してDiscordは、いくつかの質問に答えている。まず会話内容および個人情報がKRISPに渡ることは否定している。またビデオ通話やGo Liveにおいても有効であると回答。一方で、モバイル向けには現在有効になっておらず、将来的に実装する予定とのこと。現時点ではデスクトップでのみ体験できる。
Discordにおいては、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあってか、音声会話ユーザーが激増しているという。そんな中で、より快適に通話を楽しんでもらうために、ベータという形で迅速にKRISPの導入を決めたそうだ。アップデートが済んでいる場合、すでにDiscordには実装されているので、「ノイズ抑制」をオンにしておこう。聞かれると恥ずかしい音などが抑えられるかもしれない。