今年も国内外を賑わせているエイプリルフールのジョークの数々。特に企業がおこなうものに関しては、ウソであると分かりやすくする配慮が見られることも多いが、ゲーム業界においては実は実際に開発中であったり、のちに製品化されることもあり、ファンはついつい期待してしまう。パブリッシャーFDG Entertainmentのエイプリルフールネタも、結果的にはウソであったが、ファンの注目を集めることとなった。ただ、そのネタは皆を騙すことを目的に作られたわけではなかったようだ。
Surprise! We're happy to announce our new game project #DuckTales QuackShots together with our #MonsterBoyGame development partner Game Atelier! pic.twitter.com/iQfmnwLcPH
— FDG Entertainment (@FDG_Games) April 1, 2020
FDG Entertainmentは4月1日、新規プロジェクトとして『DuckTales QuackShots』を発表し、4枚の画像を公開した。ディズニーのドナルドダックを主人公としており、またそのタイトルから『アイラブドナルドダック グルジア王の秘宝(Quackshot starring Donald Duck)』の流れをくむ作品であることがうかがえる。開発を担当するのはGame Atelier。両社は『ワンダーボーイ モンスターランド』シリーズの新作『モンスターボーイ 呪われた王国』を手がけリリースしている。
公開された画像はゲーム画面なのかコンセプトアートなのか判別は難しいが、なかなかクオリティの高い内容。ラバーカップを射出する銃シュッポンなど『アイラブドナルドダック』らしい要素が垣間見え、また協力プレイに対応するような描写も確認できる。
オリジナル版である『アイラブドナルドダック グルジア王の秘宝』は、ミッキーマウスを主人公とする『アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険』に続く作品としてセガが開発し、1991年にメガドライブ向けに発売された。その『アイラブミッキーマウス』は、のちに『ミッキーマウス キャッスル・オブ・イリュージョン』としてPS3/Xbox 360向けにリメイク。また、「DuckTales」の名を持つタイトルとしてはカプコンの『わんぱくダック夢冒険(DuckTales)』があり、こちらもまたリメイクされている。
さらにFDG EntertainmentとGame Atelierは、クラシックタイトルの新作として先述した『モンスターボーイ 呪われた王国』を手がけたこともあり、『アイラブドナルドダック』が現代に蘇ったとしても不思議ではない状況だと言える。今回の『DuckTales QuackShots』については、多くのファンが「ウソじゃないと言ってくれ」といった反応を寄せることとなった。
Thank you for the overwhelming feedback on our #DuckTales Quackshot screens. We worked hard on a legit pitch to Disney but unfortunately never got the license. It would've been a shame to bury the material so it became this years #AprilFools. Maybe someday Disney will reconsider? pic.twitter.com/oLzikKds4u
— FDG Entertainment (@FDG_Games) April 1, 2020
そしてFDG Entertainmentは翌4月2日、『DuckTales QuackShots』は開発していないとネタばらしをおこなった。ただ、この作品については実際にディズニーにプレゼンをおこなっていたそうだ。結果的にライセンスの許諾を受けることは叶わなかったが、当時制作したプレゼン用の素材を捨ててしまうのはもったいないため、エイプリルフール用に流用したという。公開された画像のクオリティの高さには、そうした背景があったのだ。
ネタばらしを受けて、今度は残念がるファンの声が押し寄せる。また権利を持つディズニーに対して、なぜ許可しなかったのだと不満を伝える者も。FDG Entertainmentは、「いつかディズニーは考えを変えるでしょうか?」とコメントしており、ゴーサインさえ出れば開発する意思は今も持っているようだ。いつか『アイラブドナルドダック』の新作がリリースされ、今回のエイプリルフールネタを振り返る時が来ることを期待したいものである。