巷を騒がせたNintendo Switch向け「うごメモ」新作の“自称リーク”は、フェイクだった。作成者は厳しい批判に晒される
先日、「うごくメモ帳」新作の存在がリークされたとして、SNS上を騒がせていた。「うごくメモ帳」は、タッチペンで手書きメモを残せるソフトウェア。DSiとニンテンドー3DS(うごくメモ帳 3D)にて配信。メモ帳をベースとしながら、パラパラ漫画のような形でアニメーションを保存することができるなど、ユニークなソフトウェアとして親しまれた。3月に入り、そんな“うごメモ”こと「うごくメモ帳」の新作がNintendo Switch向けにリリースされるとの情報が広まり、Twitter上ではトレンド入りを果たしていた。しかし、この噂は悪質なジョークであったようだ。
発端となったのは、3月下旬に“自称リーク”が出現したことだ。特定のTwitterユーザーが、任天堂のサーバーから入手したとして、「うごくメモ帳」らしきソフトウェアの新作画像が流出していると報告。その画像が、あまりに新作らしきものであったことから、海外コミュニティにて注目を集めることとなった。レイアウトから言語、そして新作のテーマ色らしきオレンジテイストのデザイン。実際にイラストを書くような工程シーンから、SNSのコミュニティ画面など、多岐にわたる部分においてシリーズのエッセンスを感じさせるものとなっていた。
その後、4chanにて別ユーザーらしき人物から、同様の「新作うごメモ」のスクリーンショットが投稿される。こちらは以前のものとは違い、タイトルやメニュー画面を映したもの。このユーザーも同じく任天堂のサーバーから入手したと主張。うごメモ閲覧用のソフトウェアの画像も公開され、左下にはDSi版に携わるHatenaのクレジットもあるという徹底ぶりである。
また「うごくメモ帳」の流出騒動とともに、『ポケットモンスター ソード・シールド』の大型DLC「鎧の孤島・冠の雪原」のBGMらしき素材がYouTubeに投稿されていたことにより、任天堂サーバーに脆弱性があり、そこから流出が続いているのではないかとも報じられていた(NintendoEverything)。
しかしこの騒動は、特定グループのエイプリルフール向けジョークであったようだ。現地時間4月1日になったタイミングで、グループのひとりであるデザイナーのJames氏はネタバラシ。同氏は、Nintendo Switch向けの“「うごくメモ帳」リーク”を小さなDiscordグループをびっくりさせるために作ったものの、思ったよりも話が大きくなってしまったとコメント。一連の騒動を謝罪している。流れとしてはJames氏らグループがちょっとしたエイプリルフールジョークとして、プロ級の新作うごメモ素材を作成し、SNSなどで共有。それが広まり、さらに4chanなどで便乗するユーザーが現れたことにより、騒動になってしまった、といったところだろう。つまり、任天堂のサーバーに脆弱性があるという報道も、誤りであると見てよさそうだ。
一方、このジョークに騙された人々は、任天堂のIPを使いあたかも事実誤認させるような素材を作ったJames氏らを、厳しく批判している。厳しい批判がこたえたのか、James氏はアカウントを非公開にし雲隠れしてしまった。「うごくメモ帳」は任天堂のIP。どのような形であれ、いち会社のIPを用いて新作が出るかのような画像を作り、既存ファンを混乱させてしまえば、責任が問われることになるだろう。また同時に今回の大きな騒動は、「うごくメモ帳」が大きなファンベースを持っていることを証明したと、言えるかもしれない。