見下ろし型ラリーゲーム『art of rally』のデモ版が日本語対応で配信開始。ポップでレトロ、だけどシビアな本格ドライビングを体験しよう

 

カナダのインディーデベロッパーFunselektor Labsは3月27日、同スタジオが開発中の見下ろし型ラリーゲーム『art of rally』のデモ版の配布を開始した。インディーゲーム配信サイトitch.ioもしくはGame Joltから無料でダウンロード可能。対応OSは、Windows/macOS/Linuxとなっている。プレイまでの手順としてはまず、ダウンロードボタンをクリック。入手したファイルを(必要であれば)解凍・展開し、フォルダ内の「artofrally_demo」を選択することでデモが起動、遊ぶことができる。

『art of rally』は、ローポリ調のグラフィックが特徴的な、見下ろし視点のラリーゲームだ。プレイヤーは、レトロ車を操作。ノルウェーやドイツ、そして日本など世界中のコース場を舞台に、タイムアタックに挑戦することとなる。車体には、独自のハンドリングおよび物理システムを採用。カジュアルな見た目ながらも繊細なドライビング体験が味わえる作品となっている。巧みな車体コントロールで、曲がりくねったコースを駆け抜けるのだ。

そんな本作のデモ版では、全6モードのうちのひとつ「single stage」が遊べる。はじめに車両とステージの選択をした後、ラリーが開始。画面左に表示される白いバーは、コースの進行具合。画面下部に表示されるUIは、現在のギア数を示す。もちろんギアが上昇するほど、走行スピードが速くなる。スピードを出しすぎると、カーブの際に車体があらぬ方向に滑ることだろう。ギア数とコースの形状、そして自身のテクニックを踏まえたハンドル捌きが要求される。

車種については、デモ版では2台用意されている。それぞれ見た目のほかにエンジンの種類なども異なっており、自身のプレイスキルに合わせた車種選びが重要となるだろう。また2台ともに車体のカラー変更も可能となっている。好みの色を施した車を走らせ、ドライブ感覚でタイムアタックに挑戦してみてもいいかもしれない。なお開発元曰く、『art of rally』に登場する車のデザインは、60から80年代のレトロカーをモチーフにしているとのこと。そうした特徴は、デモ版の車種においても確認できることだろう。

デモ版におけるロケーションに関しては、フィンランドを舞台としたコースが1つ用意されている。また通常コースのほか、スタート・ゴール地点が反対となった逆走バージョンも選択可能。全体を通してカーブが多いコースであり、無茶な運転はクラッシュに繋がりかねない。慣れないうちは厳しいラリーとなるだろう。なお大幅にコースアウトした場合は、画面が暗転。自動で元の場所に戻る仕様となっている。ただし、その際にはタイムが5秒追加されてしまうため、その点は注意が必要だ。

一方でステージの風景は、牧歌的かつ温かな印象。走行路の周辺には、湖や牧場といった田舎町を象徴するようなロケーションが広がる。ローポリ調のグラフィックと相まって、こうした景観は本作のゲームプレイに華を添えていると言えるだろう。また霧や雨、昼下がりといった具合に天候を変更することもできる。選択する天候によって、コースの印象がそれぞれ異なる点も大きなポイントだ。ちなみに製品版では、さまざまな国を舞台としたコースが50以上収録されるとのこと。冒頭にも述べたとおり、日本もラリーステージに含まれているようだ。各国の特徴がどのように再現されるのか、コースの景観部分にも期待がかかる。

最後に、デモ版における各種調整システムについても触れておこう。まずデモを起動した際には、ハンドリングの安定性やブレーキ時の摩擦度、そしてトランスミッション(MT/AT)の切り替えが設定可能だ。プレイスタイルや、ラリーゲームの経験具合などと照らし合わせて調整するといいだろう。またステージ選択画面では、難易度や車体の損傷レベルも選ぶことができる。難易度は全5段階。上昇させるほど、ギアチェンジまでのスピードが遅くなる。損傷レベルは、クラッシュ時における車体への影響具合のことを指す。操作に慣れないうちは、双方とも低くしておいてもいいだろう。

そして何より嬉しいのは、オプションにて日本語の選択が可能なことだ。若干怪しげな部分も散見されるものの、プレイに支障は出ない程度の翻訳となっている。こちらはメインメニューのオプション、「language」から変更可能だ。そのほかグラフィックやHUD設定など、デモ版ながらも調整機能がかなり充実している。自身のプレイ環境に適した、あるいは好みの設定でラリーを楽しもう。なおポーズ画面からは、フォトモードを選択することもできる。

フォトモードの画面

『art of rally』を開発するFunselektor Labsは、過去にドリフトゲーム『Absolute Drift』をリリースしている。同作では、シンプルながらもシビアな車体操作によるゲームプレイを特徴としていた。そして『art of rally』には、そんな『Absolute Drift』の開発にて培われた独自のハンドリングシステムが装い新たに受け継がれているようだ。繊細な操作を要求される難しさは、今回のデモにおいても体験できることだろう。一方、開発元によると、デモ版にて体験できる要素は製品版のほんの一部に過ぎないとのこと。

カジュアルな見た目とシンプルなシステムながらも、本格ラリー体験が味わえる『art of rally』。レトロな雰囲気や温かみある景観、そしてエレクトロミュージシャンTatreal氏が手がけるシンセなサウンドにも注目の一作だ。そんな『art of rally』の一端が味わえるデモ版は、itch.ioもしくはGame Jolt
からダウンロード可能。なお製品版についてはSteam向けに2020年内のリリースが予定されている。