『DOOM Eternal』初週末の売り上げは前作の2倍。フランチャイズ史上最高のスタートを切る

『DOOM Eternal』初週末の売り上げは前作の2倍。フランチャイズ史上最高のスタートを切る。『DOOM Eternal』国内コンソール版は3月26日発売。

Bethesda Softworksは3月25日、『DOOM Eternal』のローンチウィークエンドの売り上げが前作『DOOM』の2倍であったことを明かした。VentureBeatEurogamerが報じている。3月20日にローンチを迎えた同作は、フランチャイズ史上最高の初週末記録を残したという。具体的な売り上げ本数は公開されていないが、Steamでの同週売り上げトップであったとのこと。参考として、Steamでは初日に同時接続プレイヤー数(以下、CCU)が10万人を超える盛況ぶりを見せていた(Steam統計)。前作『DOOM』ローンチ時のピークCCUは3万人台である(Steam Charts)。

『DOOM Eternal』は、2016年に発売された新生『DOOM』の直接の続編として、id Softwareが開発したFPSシリーズ最新作。前作の出来事の後、地球に帰還したドゥームスレイヤーは、地獄の軍勢に侵略され変貌した惑星を目の当たりに。人類の破滅を食い止めるべく、復讐心に燃えたドゥームスレイヤーの新たな冒険が始まる。同作では、前作と違いカットシーンを多めに取り入れ、主人公のバックストーリーが掘り下げられるほか、読物アイテムのコーデックスを通じて本シリーズの世界観が広がりを見せる。

前作に続きMick Gordon氏がコンポーザーを担当したサウンドトラック、銃声を中心とした音声面の改良により戦闘の爽快感がアップ。ダブルダッシュ、ダブルジャンプ、スーパーショットガンのミートフックなど、ドゥームスレイヤーの機動力が上昇。あわせて敵の動きも素早くなり、全体的なスピード感が増した。そして前作以上に豊富なロケーションでデーモンを狩り倒せる。

クリエイティブ・ディレクターのHugo Martin氏は同作の戦闘を、アグレッシブな攻めの姿勢が常に最適解となる「コンバットパズル」と称している(NoClipインタビュー動画)。チェーンソーキルによる弾薬補充、グローリーキルによる体力回復、火炎放射器のフレイムベルチによるアーマー回復。攻撃とリソース補充の一体化が前作以上に顕著となったほか、敵の役割や弱点の明確化が図られたことで「全部スーパーショットガンで倒せばいい」といった単調なプレイスタイルが自然と淘汰されるようつくられている。

弱点にあわせた武器の切り替え、リソースの管理、距離の取り方など、瞬時の判断を繰り返していく戦闘は、敵をチェスの駒と捉えるコンバットパズルそのもの。特に高難易度帯では頭を使わないと突破が難しくなる。先述したMartin氏によると、前作では同じ武器を使い続けるプレイヤーが一定数いて、そうしたプレイヤーからのゲーム評価は低くなる傾向にあったとのこと。単調な遊び方にならないよう、面白さを感じ続けてもらえるような誘導・チューニングを加えたのが、新作における戦闘デザインなのである。

ただ、そうした前作からの変更点を歓迎しない声も一定数ある。『DOOM』ファン全員が楽しめているわけではない。戦闘に限らず、環境パズル、壁登りや足場から足場への移動アクション、水中パート。前作からの変化を受け入れられるかどうかが評価の分かれ目となっている。ゲームを称賛するメディアやプレイヤーの中にも、戦闘の流れを止める「マローダー」という敵には苦言を呈する者が少なくない(マローダーに関する過去記事はこちら)。GameSpotPC GamerKotakuなど各メディアがこぞって「マローダー攻略ガイド」記事を公開していることから、そうしたガイド需要が存在することもうかがえる。

批判的な声もあれど、概ね好意的な意見が多い『DOOM Eternal』。対応プラットフォームはPC/PlayStation 4/Xbox One。国内コンソール版は本日3月26日発売ということで、これから国内プレイヤー数が増えていくことだろう。なおスピードラン界隈ではグリッチの発見やルート開拓が進行中。現時点で1時間を切っている(例:Distortion2氏によるAny%/イージー難易度/fps上限なし条件での57分48秒ラン動画)。

 

https://youtu.be/3lQUuXKW4FQ?t=342

*Mick Gordon氏による『DOOM Eternal』BGMのライブデモンストレーション

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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