国内のアプリ・ゲーム開発会社ScopeNextは3月19日、『DIMENSION REIGN』をSteamにて早期アクセス販売開始した。価格は1840円で、3月26日までは10%オフの1656円でゲームを購入可能。もちろん、日本語にも対応している。
『DIMENSION REIGN』は、ローグライク要素を取り入れた戦闘RPGだ。具体的には、パーマデスやランダムエリアといった要素を取り入れている。ランダムに生成されるツリー状となるエリアを選択し、ひたすら戦闘をこなしていく。戦闘はターン制でおこなわれ、勝利すると次のエリアに進んでいく形だ。画面構成やシステムを見る限り、既プレイヤーならばデッキ構築ローグライトゲームの金字塔『Slay the Spire』を彷彿とさせるが、本作には独自のシステムが導入されている。
まず本作は、プレイヤーキャラが2人である。HPやビルドも2人分ある。そしてデッキおよびカードの概念が存在せず、ジョブごとに5種類程度の固定アクションが用意されており(道中では使用回数ありの武器アクションも存在)、戦闘ではそれらを選択。レリックを装着することでアクションの威力を高めていく。基本行動回数は2回で固定されており(後述するチェインを決めることで増加)、戦闘の肝は敵のHPゲージを破壊することで、攻撃力が高まり連撃できるチェインだ。勝利報酬の基本は、マネーや装備できるアイテム。成長要素も存在し、スキルを選びビルドを決めていくなど、根本的には『Slay the Spire』とは大きく異なる。
【UPDATE 2020/3/20 8:50】
使用回数制限のある武器アクションについて追記
一方で、軽妙なテンポと、コンボで敵を圧倒する戦闘の爽快感は、『Slay the Spire』を彷彿とする。筆者自身も『Slay the Spire』を数多の時間プレイし、また同作のクローンタイトルをたくさんプレイしてきたが、ゲーム性は大きく違えど“手触りのよさ”については、『DIMENSION REIGN』に対しても金字塔ゲームと同じ感想を持つ。
とはいえ、この手のゲームはエンドゲームのバランス調整が特に重要なので、序盤を少しプレイした程度では、評を下すのは時期尚早だろう。一方で、前述した要素に加え位置関係の駆け引きやジョブによるビルドの違いなど、複雑なエッセンスを持つ本作には、期待感を抱かせる。爽快感がある一方で、もたもたしていると敵が大量に湧き出すなど緊張感もある。note記事「ゲームプランナーは、ディレクターになれない!隠されたクラスチェンジ条件とは」を公開し、キャリア選択の重要性を巧みに言語化した、歴戦のゲーム開発者かえるDらしい、理論に基づいた土台あるゲームに仕上がっている印象だ。
この手のジャンルはゲームバランスが命。早期アクセス配信を介してフィードバックを得ながら調整を重ねていくという手法も好印象。この手のジャンルが好きなユーザーは、一度本作に触ってみて損はないはずだ。なお早期アクセスの予定期間は1年間とのこと。
『DIMENSION REIGN』は、Steamにて早期アクセス販売中だ。なおかえるD氏は、本作のゲームづくりのこだわりを言語化した「ゲーム開発の規模と発明のトレードオフとどう戦うか?インディーゲームでローグライクを作ってみた」という新たなnote記事を公開しているので、興味のある方はそちらを読むのもいいだろう。