「PCエンジン mini」発売。非売品やアーケード版に近づけたバージョンをプレイできる裏技で、実質計61タイトルをプレイ可能

コナミデジタルエンタテインメントは3月19日、「PCエンジン mini」を、Amazonにて発売した。ただ、開発ディレクターを務めたコナミの吉室純氏いわく「何を言っているかわからないと思いますが。市販品ソフトが58本なだけで。実質61本という計算を勝手にしています」とのこと。

コナミデジタルエンタテインメントは3月19日、「PCエンジン mini」を、Amazonにて発売した。価格は1万500円(税抜)。本機は、1987年に発売された家庭用ゲーム機「PCエンジン」コンパクトサイズで復刻し、当時発売された対応タイトルを計58本収録した家庭用ゲーム機だ。

なおAmazonでは、北米版である「TurboGrafx-16 mini」と欧州版の「PC Engine Core Grafx mini」も国内で同日発売予定だったが、新型コロナウイルスの影響により中国における生産および出荷の遅延が発生。公式には3月20日以降に届くと発表されているが、Amazonは予約者に対して、4月上旬頃に発送予定だと案内している。同じく影響を受けた、ホリの専用周辺機器については4月30日発売予定とのこと。またPCエンジン miniについても、3月6日以降に予約した場合は同じく遅延が発生するとされていたが、本稿執筆時点ではAmazonに在庫があるようだ。
【UPDATE 2020/3/19 15:50】
発送時期についての記述を追記

PCエンジン miniには、PCエンジンおよびTurboGrafx-16向けに発売された計58タイトルを収録。移植開発は、「SEGA AGES」シリーズなどでもおなじみの有限会社エムツーが担当した。ただ、開発ディレクターを務めたコナミの吉室純氏いわく「何を言っているかわからないと思いますが。市販品ソフトが58本なだけで。実質61本という計算を勝手にしています」とのこと。

今回の発売に際して、その差分である3本についての情報が公開された。まずは『SOLDIER BLADE スペシャルバージョン』。オリジナル版当時にキャラバン会場などで配布された、今では貴重な非売品タイトルだ。次に『グラディウス near Arcade』。こちらは『グラディウス』をよりアーケード版に近づけた内容となっており、アーケード基板バブルシステムからの起動を再現。さらに、グラフィック全体の色調整やBGMの調整もおこなっているという。

そしてもう1本は『ファンタジーゾーン near Arcade』だ。こちらも、『ファンタジーゾーン』アーケード版に近づけたバージョンとなっており、グラフィックを一新し、BGMや効果音も完全刷新されている。これら3タイトルについては、各オリジナル版のタイトルメニュー画面で、「SELECTを押したままゲームを起動(RUN or Ⅰボタン)」するという裏技を使用することでプレイ可能となる。

エムツーの松下佳靖氏は、この中でも『グラディウス near Arcade』と『ファンタジーゾーン near Arcade』について、どちらも「PCエンジン=アーケードに強い」を感じさせる驚愕のリニューアル版であるとコメント。『グラディウス near Arcade』については、「アーケードに強いPCエンジンならグラディウスはこう移植されたはず、というもう一方のゲーマーの夢が詰まっている」と表現し、『ファンタジーゾーン near Arcade』については「512色の新グラ、波形メモリで奏でる新サウンド」に注目してほしいとのこと。

なお、PCエンジン miniではこれらのタイトルのほかに、『ときめきメモリアル』の中でミニゲームとして遊ぶことができるシューティングゲーム『フォースギア』と『ツインビーりたーんず』について、単独で直接起動できる調整および裏技の追加もおこなわれている。

PCエンジン miniは、Amazonを通じて販売中。先述したように、中国での生産・出荷の遅延が発生しているため、「TurboGrafx-16 mini」や「PC Engine Core Grafx mini」の出荷状況を含め、詳しい情報は公式サイトや販売サイトを確認してほしい。

*PCエンジン miniへの電源供給には5V/2.0A以上が必要。スマホ用のUSB充電器は1.0Aのものも多く、利用できない場合があるため注意。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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