『Horizon Zero Dawn』PC版正式発表、Steamにて今夏リリースへ。高評価を得た機械獣オープンワールドゲーム

『Horizon Zero Dawn』PC版正式発表、コンプリート・エディションがSteamにて今夏リリースへ。『Horizon Zero Dawn』は、2017年PS4向けに発売され、高評価を得た機械獣オープンワールドゲーム。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントのワールドワイド・スタジオ(WWS)統括責任者であるハーマン・ハルスト(Hermen Hulst)氏は3月10日、『Horizon Zero Dawn』のPC対応を正式に発表。今夏リリース予定であることを明かした。すでにSteamストアページがオープン済みだ(日本語対応)。

Steamで販売される『Horizon Zero Dawn Complete Edition』は、ゲーム本編と「凍てついた大地」DLC、各種武器&防具セットを同梱するもの。具体的な武器&防具セットの内容は、ノラ族 武器&防具セット(ノラ族 警備用防具・強化弓・狩猟セット)、カージャ族 武器&防具セット(カージャ族 突撃隊防具・強化弓・交易商セット)、バヌーク族 武器&防具セット(バヌーク族 開拓者防具・狩猟弓・旅人セット)となっている。

SIEはかねてよりPC向けのリリースに関心を見せており、2019年8月には当時チェアマンを務めていたShawn Layden氏が、PlayStation 4タイトルのPCでのリリースを示唆(GameIndustry.biz)。実際に、PlayStation 4タイトルであるRobot Entertainment開発のダンジョンアクション『ReadySet Heroes』がEpic Gamesストアにて、SIEが国内販売を担当している『Monkey King: Hero is Back』がSteamにてリリースされている。

SIE独占タイトルのPC移植は、今回が初めてではない。『Horizon Zero Dawn』はGuerrilla謹製のゲームエンジンDECIMAを使用しており、同じく同エンジンを採用した『デス・ストランディング』も、今年6月2日にPC版がSteamとEpic Gamesストアで配信される(関連記事)。そちらはPC版向けの「フォトモード」「ハイフレームレート対応」「ウルトラワイドモニター対応」といった拡張機能付きだ。

ただ、今後すべてのSIE内製タイトルがPC対応するわけではなく、あくまでも『Horizon Zero Dawn』は、このタイミングでのPC対応に適したタイトルであったと、ハルスト氏は海外PlayStation.Blogのインタビューで答えている。
【UPDATE 2020/03/11 9:34】SIE内製独占タイトルのPC移植という記述を訂正。

*2017年に公開された、PS4版『Horizon Zero Dawn』のゲーム紹介ビデオ

ハーマン・ハルスト氏は、『Horizon Zero Dawn』開発元Guerrillaの共同設立者であり、マネージングディレクターを務めた人物。2019年11月にSIEワールドワイド・スタジオの統括責任者に就任している(関連記事)。ワールドワイド・スタジオはGuerrillaに加え、JAPAN StudioやPolyphony Digital、Naughty Dog、Santa Monica Studio、Insomniac Gamesなど14スタジオを抱える大所帯。そのトップに就任したハルスト氏が、これらのスタジオを管轄しながらゲーム開発をリードしていく。

今回のインタビューでハルスト氏は、ワールドワイド・スタジオとして今後も高品質な内製独占タイトル、そしてナラティブ主導のシングルプレイヤーゲームを届け続けると語りつつ、実験的なプロジェクトや新しいアイデアも受け入れていくと述べた。PlayStation IPの映像化を進めるPlayStation Productionsの動向についても触れており、Tom Holland主演の映画版「Uncharted」、先日発表されたHBOドラマ版「The Last of Us」というNaughty Dog作品群以外にも、複数のプロジェクトが企画されているとのことだ。

『Horizon Zero Dawn』は2017年3月、PlayStation 4向けに発売されたGuerrilla開発のオープンワールドゲーム。舞台となるのは、大災厄により人類文明が崩壊してから1000年が経過し、大自然の中で機械獣が闊歩する原始的な世界。美麗に描かれた広大なオープンワールド、多彩な道具を駆使して機械獣・野生動物を狩るアクション、主人公アーロイの出生と文明崩壊の秘密を追うスケールの大きな物語などが味わえる。オプション豊富なフォトモードでも注目を浴び、発売当時SNSではフォトモードにより撮影された画像が大量に投稿された。その後のSIE内製タイトルにおけるフォトモード搭載路線を促した作品とも言えるだろう。ゲーム発売後の無料アップデートでは、フォトモード拡充のほか「ニューゲーム+」「ウルトラハード」難易度も追加。同作は2018年2月の時点で、全世界累計実売760万本超えが報告されている。

また2017年11月には、主人公アーロイが極寒の地にて新たな試練に挑む「凍てついた大地」DLCが配信。今夏発売されるPC版「Complete Edition」にも含まれる。新たな物語(クエスト)、登場人物、機械獣、スキルなどを追加する15時間相当の拡張コンテンツだ。バヌーク族の領土、山脈の北方にある過酷な「凍てついた大地」に足を踏み入れることになり、「デーモン」と呼ばれる凶暴化した機械獣や、新種の機械獣「スコーチャー」「フロストクロー」「制御塔」が登場。強敵を迎え撃つための新武器や新スキルが得られるほか、会話シーンおよびカットシーンのアニメーションやカメラワークに改良が施され、より魅せる演出が増えたDLCだ。

『Horizon Zero Dawn Complete Edition』Steamページより。現時点ではまだ、同ストページの画像の多くはPlayStation 4 Proにてキャプチャーした素材となっている。

PC版『Horizon Zero Dawn Complete Edition』は今夏リリース予定となっている(Steamストアページ)。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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