かわいい系人気ゲーム実況者PokimaneがTwitchとの独占配信契約を発表。お金以上に重要な理由があった


人気TwitchストリーマーImane“Pokimane”Anys氏は3月6日、配信サイトTwitchとの独占配信契約を継続することを自身のTwitterで発表した。Pokimane氏はTwitchとの複数年に渡る契約を結ぶにいたった理由を説明する動画を、YouTubeのサブチャンネルに投稿している。海外メディアDexertoなどが報じている。

Pokimane氏はTwitchのフォロワーは390万人以上、YouTubeのチャンネル登録者は460万人以上を誇る人気配信者。『League of Legends』の配信者としてストリーマーとして活動を開始し、『フォートナイト』の実況や雑談配信でも人気を博した。直近では『Counter-Strike: Global Offensive』の配信も行い、幅広いコンテンツを手がけているインフルエンサー。『League of Legends』ではダイアモンド帯という実力者、キュートな外見、熱い性格など多くの人に愛される魅力がある人物だ。

Pokimane氏はTwitch以外の配信プラットフォームから独占契約のため、多額のオファーを受けていたことを明かした。「正直に言います、これらの独占配信の契約は高額でした。私たちストリーマーにとって人生を変える程の金額です。多くの異なるプラットフォームから取引を持ちかけられましたが、最終的には2つに絞られました」という。この2つとは、Twitchともう1つのプラットフォームということだろうPokimane氏は配信サイトについて膨大なリサーチを行ったうえで、より少ない金額を提示していたTwitchを選択したという。Twitchは視聴時間などのシェアでほかの配信サイトをリードしているが、ほかにも理由はあるのだろうか。

「人生を変える程」の金額を提示されながらも、「より少ない金額」を提示していたTwitchを選んだ理由について、Pokimane氏はいくつか挙げている。まず遅延が短いことが1つ目の理由。1秒未満の遅延が可能というMixerは別として、Twitchはサーバーなどのインフラが安定している。とくにチャットの遅延が短いことがPokmane氏には重要だったようで、「(他サイトの)配信の遅延が嫌いで、チャットのやり取りはひどいものでした」とのこと。

既存のTwitch配信者間のコミュニティおよび、彼女のチャンネル内のコミュニティもTwitchに残る重要な理由だった。Twitchのチャット欄についてPokimane氏は、「プラットフォーマーはチャット欄を買収したいからストリーマーを買収しようとするんですよ」と小声でささやく。ときに荒れ、心無いコメントが飛び交うことでも有名なTwitchのチャット欄。しかしそれでもPokimane氏は、「チャット欄なしで配信することは想像できません、それは退屈です。楽しく、ハッピーでいること、自分のコミュニティや、すべてを始めた場所で自分の居場所と思える場所に留まるためなら、より少ない金額でかまいません」とTwitchのコミュニティへの愛を語った。Ninja氏がMixerに移籍した一因はTwitchのチャットにあるとも言われており、対称的な反応ではないだろうか(関連記事)。

そして「トップストリーマー」であり続けたいということも理由にある。曰く、「ほかのサイトで1万、2万、3万人の(同時)視聴者数を得ても、トップストリーマーであるとは思われないのです。なぜなら“配信”と聞いて人々が思い浮かべるのは専らTwitchのことで、ほかの配信サイトではないのです」と指摘。

Twitchは昨年12月、Dr Lupo氏、TimTheTatman氏、Lirik氏の3名と独占配信契約を結び、このとき数百万ドルの契約金が支払われたとも言われている。Pokimane氏についても「より少ない金額」といいつつも、莫大な額が提示されたとみてよさそう。しかしTwitch独特のコミュニティやトップストリーマーとしての矜持、配信環境などTwitchに残る理由はいろいろあったようだ。配信プラットフォームによるインフルエンサー獲得の競争はまだ続いているようなのでこれからも注目したいところだ。