『バイオハザード RE:3』のネメシスが“セーフルームにさえ入ってくる”という戦慄の情報が広まり物議醸す。しかし誤解の可能性高し

 

カプコンがPlayStation 4/Xbox One/Steamにて、4月3日に発売を予定している『バイオハザード RE:3』。Future plcが発行している月間ビデオゲーム雑誌であるXbox:The Official Magazineの最新号に掲載された『バイオハザード RE:3』に関する一部の内容が、redditなどのコミュニティ内で物議を醸しているようだ。話題の焦点となっているのは、ネメシスがセーフルームに侵入できるのか、という点だ。

事の経緯は、3月6日に発行されたXbox:The Official Magazineの最新号にて、『バイオハザード RE:3』の実機プレビューで判明した情報について掲載したこと。その後、海外メディアのEurogamerが、そのプレビュー情報をもとに記事を公開。記事のタイトルは、「バイオハザード RE:3』では、ネメシスはセーフルームに侵入することができる」というものだ。この報は、インフルエンサーのNibel氏などにも取り上げられ、瞬く間に拡散されていった。

https://twitter.com/Nibellion/status/1235947928075763717

『バイオハザード』シリーズのセーフルームは、敵の侵入を許すことのない、”唯一の聖域”とされている場所。安全地帯の総称として親しまれている。ゾンビの脅威も及ばず、追跡者への不安も抱く必要がなくなり、安息も得られる。そんな安心の場所として、セーフルームは重要な場所である。しかしながらリメイク版では、その場所ですらネメシスの脅威となる。そんな新情報に対しては、ホラー体験にさらなる恐怖を加えるお決まり破りへの称賛であったり、聖域の消失への落胆など、さまざまな声が寄せられていた。

しかしながらその後、Future plcの子会社であるFuture USが運営する海外メディアgamesradar+は、この話題に反応するように「ネメシスはセーフルームに侵入できない」と題した記事を公開。記事内では、「タイプライターがある部屋に侵入したのは確認していたが、その部屋はセーフルームではなかった」と弁解。改めてカプコンに確認したとしながら、セーフルームとして設計された部屋はネメシスが侵入できず、安全であると報告した。gamesradar+は、関連メディアXbox:The Official Magazineが発信した情報を、Webにて迅速に補足、および訂正した形。

今回の騒動の発端となったEurogamerの記事だが、同記事はもとをたどればXbox:The Official Magazineの情報を、個人ユーザーがredditにて転載した情報を参考にしている。いわゆる伝言ゲーム状態であった。実際のところ、Xbox:The Official Magazineの記事本文には、セーフルームに侵入する”可能性がある”と記載されていたという。おそらく、この情報を確定付けるニュアンスの記事タイトルのみが真意として拡散され、今回の騒動に至ったのだろう。

gamesradar+がカプコンからの確認を入れて訂正しているように、ネメシスはセーフルームに侵入することはなく、本作でもセーフルームの絶対的な安全性は守られそうだ。ちなみに、シリーズ内においてセーフルーム、いわゆる安全地帯の定義は定かではない。過去作となる『バイオハザード RE:2』の警察署のメインホール内には、ゲームのセーブを行うタイプライターが存在し、追跡者であるタイラントはそのエリアに侵入可能だった。ゆえに、セーブ可能な部屋全てがセーフルームではないことは留意しておこう。このセーフルームに対する認識の食い違いも、今回の騒動の要因のひとつと言えそうだ。

一騒動となった本件だが、セーフルームの重要性があらためて明らかになる、興味深い動きだったといえるのかもしれない。リメイク版のネメシスは、背中に燃料タンクを背負い、新武装となる火炎放射器の業火でプレイヤーの行く手を阻む。ロケットランチャーを武装する姿も公開されており、原作から大幅に武装が強化されているようだ。また、原作では突進や掴みかかりなどをかわすことで逃げ延びることができたが、本作では触手を使ってプレイヤーを捉えたり、逃げる方向に先回りするなど新たな行動パターンも加えられている。『バイオハザード RE:2』で登場した、一定の間隔で追跡してくるタイラントとは全く異なる、新たな恐怖心を味わうことになりそうだ。そんなネメシスがセーフルームにまで入ってくるという恐怖体験が、なんらかの形で実現されると面白いかもしれない。