フランスのゲームスタジオWolcen Studioは3月6日、『Wolcen: Lords of Mayhem』(以下、Wolcen)の売り上げ本数が100万本を突破したことを発表。同作は2016年にSteamでの早期アクセス販売が開始されたのち、3年以上の時を経て2020年2月13日に正式ローンチを迎えた。それから1か月弱で大台に乗った形となる。
『Wolcen』は、斜め見下ろし視点のハックアンドスラッシュ・アクションRPG。CRYENGINEを活かした上質なグラフィック、クラス制限なく武器種・スキルを組み合わせられるビルド構築の幅広さが特徴の『ディアブロ』ライクな作品だ。主人公は、カスタガスの虐殺という事件を生き延びた3人の生存者のひとり。一緒に生き延びたValeriaとEdricとともに、大審問官Heimlockのもとで一人前の戦士として育て上げられた。だが都市国家Stormfall近辺での敵対組織との戦闘中、主人公の身に異変が発生。3人の運命が動き始める。
同作は「片方を消費すると、もう片方が補充される」2種類のスキル発動用リソースの管理や、クラスではなく武器に紐づいたスキル群など、独自のゲームシステムが評価されている。早期アクセス時は多くても1000人台であった同時接続プレイヤー数は、インフルエンサーを使った宣伝活動の効果もあり、正式リリース後一気に10万人台にまで上昇。プレイヤー数・売り上げを伸ばしていった。しかしながらアクセスの急増に耐えきれず、長期的なサーバートラブルに苛まれる。
また正式リリース時のビルドは不具合が多く、ゲームバランスは崩壊気味であった。強力すぎるビルドや、アイテム無限複製バグ、正しく効果が発動しないパッシブスキル、複数の進行不可バグ。3年以上の早期アクセス期間を設けていたものの、正式リリースにより問題が山積みであることがすぐに浮き彫りになった。そうした事情もあり、Steamでのユーザー評価は賛否両論となっている。進行不可バグやアイテム無限複製といった深刻な不具合のいくつかは修正済みであるが、依然として万全の状態とは言えず。今回の発表では、リリース後の4か月間をバグ修正とゲームの品質改善に費やす予定であると伝えている。物語の続きとなる第4章(ACT4)には、そうした作業が終わってから取り組むとのことだ。
ポテンシャルを秘めながらも、多くの問題を抱えている『Wolcen』。バグ修正と品質改善が順調に進めば、評価を上げることだろう。『Wolcen』はSteamにて4100円で販売中。翻訳用プラットフォームCrowdinを用いた有志による多言語対応が進められているが、現時点では対応中の言語に日本語は含まれていない。