『Fallout 4』ゲーム内に“あの現場猫”を追加するModが登場。仕事を任せるもよし、旅のお供にするもよし
核戦争後の荒廃したボストンを舞台に、Vault 111唯一の生存者として生き延びる『Fallout 4』。放射能の影響が色濃く残る本作のマップには、危険がいっぱい。少し街を離れれば、ヤオ・グアイやモールラットといった凶暴な野生動物に襲われることもあるだろう。そんな本作においては、ただただ愛くるしい犬と猫も存在する。犬はコンパニオンとして引き連れることや、番犬として飼うことが可能。一方、猫に関しては一部クエストで話しかけられるものの、基本的にプレイヤーとインタラクトできる要素は少ない。そしてこの度、そんな本作の猫を“あの現場猫”にするModが開発・配布されている。
そもそも「現場猫」とは、ネットミームのひとつである。読者の中にも、黄色い安全帽を被り、「ヨシ!」とつぶやく猫のイラストをご存知の方はいるかもしれない。どこか気の抜けたようなポーズと可愛さを兼ね備えたゆるい画風が特徴的だ。このミームの起源は、絵師として活躍するくまみね氏がTwitterに投稿した「電話猫」のイラストにある。同氏は2016年、受話器に向かって話しかける猫を描いた創作イラストを投稿。余計なお世話とも捉えられるセリフや、イラストの随所から漂うラフさ加減が一部のSNSユーザーから好まれ、あらゆるシーンにおいて使えるおもしろ画像として知名度を広げていった。
夜中科学電話相談 pic.twitter.com/tanTFmNuGK
— くまみね (@kumamine) August 25, 2016
ただし前述した時点では、まだ現場猫としてのネットミーム化には至っていない。現場猫が誕生するきっかけとなったのは、画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」にて投稿された電話猫のコラージュ画像だ。同掲示板においては、ユーザーから数多くのコラ画像などが投稿されているが、そこに電話猫も仲間入り。セリフの入れ替えをはじめ、そもそも猫自身を他のアニメ・ゲームキャラに置き換えるユーザーも出現。元々ラフな作風・絵柄ということもあり、イラストを“いじる”うえで汎用性も高かったのだろう。そしてこうしたコラ画像合戦の過程で誕生したのが、現場猫というわけだ。
可愛いらしくもどこか不安を覚える表情。おちゃらけた体勢。安全ヘルメットを被っているも、安全とは程遠い印象を与える「ヨシ!」のセリフ。電話猫のゆるいテイストはそのままに、さらに個性が尖った謎キャラとして、現場猫は着実に知名度を伸ばし始めた。そうして現場猫のイラストは、Twitter上でも広がりを見せることに。現場猫という名前から、実際の仕事における現場あるあるを絡めたコラ画像や、現場猫にブラックネタを添えた創作イラストを投稿するユーザーも出現。電話猫は時を重ねていつしか現場猫となり、現在に至るまで多くの人々からネットミーム・キャラクターとして愛されている。
https://twitter.com/ZE__46/status/1168812718339440647
そして今回Modderの手によって『Fallout 4』向けに、現場猫Modが開発されたわけだ。その名も「Settlement Cats」。gou4126氏が配布する同Modを導入することで、安全ヘルメットを被った猫を入植者の一員として迎え入れることが可能となる。ただし仲間にするには、最初に雇用契約を結ばなければならない。契約を交わすにはまず、マップ内の北西、コンコードの公園にいる現場監督官(猫)から雇用契約書を購入する。すると入植者として従えることが可能な猫がプレイヤーの足元に出現。あとは人間NPCと同じように、自由に拠点での作業を割り当てよう。なお契約書1枚につき、1匹の猫を雇える仕様となっている。
さらに「Settlement Cats」にて仲間にできる現場猫は、なんとロボットの操縦も可能だ。こちらの要素も雇用契約書と同じく、公園にいる現場監督から特定のアイテムを購入することで楽しめる。猫が操縦するロボットは全2種類。1つは、所定の位置にとどまり続けるタイプ。もうひとつが『Fallout 4』における他のコンパニオンと同様に、プレイヤーに追従してくるタイプだ。前者は拠点防衛ロボットとして、後者は探索の心強いお供として活用するといいだろう。
黄色くも薄汚れたヘルメットを被る猫の見た目や、契約を交わして初めて猫を仲間にできる仕様、そしてロボットの操縦など、「Settlement Cats」Modには現場猫の名に違わない要素が詰め込まれている。ちなみに先日のアップデートにより、現場猫はフォークリフトの操作もおこなえるようになったようだ。こちらの要素もコンコードの公園にて楽しむことができるという。
ユニークで実用的ながらも癒しのエッセンスが配合された現場猫のMod。先述したネットミームになるまでの経緯を知ったうえでModを導入し、荒廃した土地においてもあくせく働く現場猫の姿を見ることで、ある種しみじみとした感情に浸れるかもしれない。なお「Settlement Cats」Modの導入には、『Fallout 4』DLC第1弾「Automatron」が必要となっている。同追加コンテンツを未購入の方は、こちらの点に注意して頂きたい。
【UPDATE 2020/3/10 12:25】
Modクリエイターのゴウバチョフ氏は、同氏が開発している「Settlement Cats」Modをアップデートし、連れて歩けるようにした。
猫アーミー
アーミーヘルメットを被せると猫がフォロワーになるようにしました
実は猫フォロワーは考えてなかったのですが、先日ご紹介頂いたAutomatonさんの記事に「連れて歩けるようになった」旨が書かれていて「まじですか(゚Д゚;)」と衝撃を受けつつそのまま組み込む事に#Fallout4 #入植現場猫 pic.twitter.com/1Nr03B3NAg— ゴウバチョフ (@gou4126) March 8, 2020
弊誌が先走って本稿にて「連れて歩ける」という旨の誤記述をしてしまったのだが、弊誌の記述に仕様を合わせていただいた形。誤った記述をしたことをお詫びすると共に、粋な対応をしていただいたゴウバチョフ氏に御礼申し上げたい。
猫アーミー、現段階では戦闘になると何もしないので、仕組み上直接戦闘は難しい気がするのでいくつかサポート的に動けるようにしたいですな#Fallout4 #入植現場猫 #SettlementCats pic.twitter.com/qvcFQAW75b
— ゴウバチョフ (@gou4126) March 8, 2020
※ゴウバチョフ氏の投稿