『Dreams Universe』のコンテンツ制作がきっかけで仕事のオファーがきたとの報告。ゲーム開発未経験者をも魅了する、夢のクリエイションツール

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Media Moleculeが開発する『Dreams Universe』は、直感操作でゲームを作り、制作物をコミュニティと手軽に共有できる、PlayStation 4用のゲームクリエイティブプラットフォーム。ゲームをゼロから作ることも、ほかのプレイヤーが作ったコンテンツをリミックスすることも可能。さまざまな可能性を秘めたクリエイションツールだ。自分で作らずに、コミュニティ製の作品を遊ぶだけでも十分に楽しめる。早期アクセス期間を経て今年2月14日に正式リリースを迎えており、コミュニティ製の作品が続々と投稿されている。そんな『Dreams Universe』でのコンテンツ制作がきっかけで、ゲーム会社から仕事のオファーを得たユーザーもいるようだ。海外メディアのEscapist Magazineが報じている。

『Dreams Universe』では、キャラクターのモデリングから楽曲制作までゲームづくりに必要なツールが完備されており、各々のアイデアを具現化することが可能。アクション、アドベンチャー、レース、パズル、シューティングなど多彩なジャンルのゲームを形にできる。DUALSHOCK 4コントローラーのモーションセンサー機能を活かした親しみやすい直感操作や、丁寧なチュートリアルのおかげもあって、コンテンツ制作入門用に手を出しやすい製品になっている。

ゲーム開発未経験のJimmyjules153氏も、『Dreams Universe』の可能性に魅了されたユーザーのひとり。同氏は初めての制作物として「Blade Gunner」という作品を投稿している。PlayStation 4向けに発売された『Resogun』風のシューティングゲームだ。プレイヤーは円柱状のステージにて自機を操作し、ウェーブ形式で左右から襲いかかってくる敵機の群れを撃破していく。自機の通常攻撃のほか、周囲に爆発を起こすボム、1度だけ被弾から機体を守ってくれるシールド、一定時間ブースト速度を上昇させるハイパードライブという3種類のパワーアップアイテムを活用しながらハイスコアを目指す。

コントローラーの左スティックで機体操作、右スティックで射撃。L1で機体ブースト(ブースト中は無敵)、R1で爆弾投下という操作方法になっており、難易度はイージーとノーマルから選択可能。メニュー画面まで作られており、ショップ項目からは武器・パワーアップアイテムの性能強化や残機最大数の増加がおこなえる。シンプルなゲームとはいえ、ゲーム開発未経験とは思えないクオリティである。「Blade Gunner」は『Dreams Universe』のフィーチャー枠に入り、多くのユーザーの目に止まることに。3月2日時点で、実に7万回以上プレイされている。

『Dreams Universe』
『Dreams Universe』

Jimmyjules153氏は先述したEscapist Magazineに対し、「ヨーロッパのゲーム開発会社から、チームに加わらないかと声をかけてもらった」と語っており、ゲーム開発者としてのキャリアの第一歩を踏み出せることを喜んでいる。またJimmyjules153氏は、『Dreams Universe』のコミュニティが、荒らしや誹謗中傷に汚されていない温かい場所であることにも言及している。ただゲームを作るだけのツールではなく、アイデア交換やフィードバックが発生しやすい空間としても機能しているのが、『Dreams Universe』の特徴だろう。

同じく『Dreams Universe』内で制作された、『No Man’s Sky』のファンゲーム「Beyond」の制作者のひとりkevinkillr1氏は、Media Moleculeが過去に開発した『LittleBigPlanet』シリーズのクリエイト機能がきっかけで、本格的なゲーム開発を始めたという。同スタジオは昔から、ユーザーにきっかけを与え続けてきたのだ。kevinkillr1氏も『Dreams Universe』に大きな可能性を感じており、先述したEscapist Magazineに対しては、「Maya、Unreal Engine、FruityLoops(現 FL Studio)、Sony Vegas、Photoshopを40ドルで同梱」したような商品だと表現している。

*kevinkillr1氏とchrisdw1002氏が制作した「Beyond」。宇宙船に乗り複数惑星間を探検する

ほかのユーザーが投稿したコンテンツやアセットを気軽に参考・活用・再構築できるオープンな空間。作りやすく、学びやすく、遊びやすい。コンテンツ制作という新しい営みに挑戦するユーザーたちの成長、プロジェクトの進捗を追える場所でもある。この無数の夢が広がる世界では、人々を自然と温かい気持ちにし、助け合いの精神を促す環境が整っているのだろう。今後はJimmyjules153氏のように、『Dreams Universe』がきっかけでゲーム開発に足を踏み入れたユーザーが、本格的にキャリアを積み始めるという話を耳にする機会が増えていくのではないだろうか。

なおMedia Moleculeは昨年、『Dreams Universe』を使ってコンテンツを制作する外注スタッフを募集していた(VG247)。同作のツールを使いこなす腕前を活かして、それをそのまま仕事にするという道筋も、無きにしも非ず。同社は『LittleBigPlanet』シリーズにおいてもコミュニティーメンバーを雇用しており、なかには建設作業員からゲームデザイナーという大きな転身ぶりを見せたケースも報告されている(GamesRader+)。

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