Riot Gamesは3月2日、「プロジェクトA」として開発されていた新作FPSを『VALORANT』として正式発表した。対応プラットフォームはPC。基本プレイ無料タイトルとして、2020年夏に全世界同時リリースするとのこと。
『VALORANT』は、タクティカルシューターだ。プレイヤーが操作するのは、現実世界の文化や地域を背景に持った「エージェント」と呼ばれるキャラクター。エージェントは、それぞれ固有の能力を持っている。エージェントの能力と銃による戦闘、そして情報を駆使した戦略的な立ち回りを組み合わせることで、プレイするたびに新鮮なゲーム体験を提供するという。
Riot Gamesによると、『VALORANT』のコアとなるのは正確な技術、一か八かの勝負に出る度胸、常に一撃死の危険が伴う緊張感、そして一瞬のひらめきから生まれるプレイになるとのこと。 プレイヤーは攻撃側と防衛側の5人2チームに分かれて、最大24ラウンドを争う。キルタイムは短く、ヘッドショットの場合はほぼ一撃死、ライフルであれば3~4発で死亡するという。全エージェントがすべての銃を使用でき、また銃はすべてラウンドごとに購入することができるとのこと。なおエージェントの能力は「必殺技」ではなく、情報収集や作戦のサポートなど、あくまで銃撃戦の補助となるようにデザインされているそうだ。
本作は競技シーンを強く意識して開発されている。たとえば、ゲームサーバーはチックレート128Hz(全プレイヤーの動作を128 fpsにアップサンプリングしている)を完備。およそ10年前のスペックのPCでもフレームレートは最低30フレーム/秒、最近のゲーミングPCならば60~144フレーム/秒を目指す。世界中の主な大都市圏のプレイヤーに35ms ping以下の応答速度を提供することを目指して全世界に分散配置されたデータセンターを用意。このために具体的に「Riot Direct」と呼ばれるISPと契約を結んだそうだ。また何年にも渡って練り上げられたネットコードによって、飛び出し有利を防止。さまざまな競技要素を強く配慮して制作を進めているそうだ。
ちなみにアンチチートについても対策もばっちりだという。ウォールハックへの対抗手段として、『VALORANT』には他プレイヤーに視線が通る寸前までそのプレイヤーの位置が表示されない、「戦場の霧」と呼ばれる独自システムが導入されている。また『VALORANT』はすべての試合がサーバー権威型となっているため、プレイヤーがスピードハックやテレポートといったチートで試合結果を左右することはないとのこと。くわえて、チート検知メソッドの常時更新とチート使用者の即処分が可能な新開発のチート検知ツール「Vanguard」を採用しており、チートが検知されれば試合がすぐに終了されるそうだ。
かつて『Counter Strike』シリーズのプロゲーマーとして活躍し、現在キャスターとして活動しているHenry G氏も、今年2月に同作をプレイした上で「『CS:GO』以来の最高のゲーム」とコメントを残し期待が高まっていた(CS4GOJP)。その道のベテランを含む幅広い分野の開発者を招いて制作されており、『リーグ・オブ・レジェンド』と同様に長期運営を視野に入れて開発されている『VALORANT』。2020年夏のリリースを楽しみにしておこう。