DJとしてミキシングを楽しむ音楽クリエイションゲーム『FUSER』発表。『Rock Band』『Dance Central』のHarmonix新作


ゲームデベロッパーのHarmonix Music Systems(以下、Harmonix)は2月26日、音楽フェスティバルのDJになる音楽クリエイションゲーム『FUSER』を発表した。同作は『Rock Band』や『Dance Central』シリーズで知られるHarmonixの新作である。DJとしてさまざまなジャンル・年代のヒット曲を組み合わせることで、自分だけのサウンドを創造。Harmonixの過去作と違い、クリエイションツールとしての側面が強い点が特徴的である。

https://youtu.be/EEp9Lfj6UsY

各楽曲の音源は、ボーカル、ギター、ドラム、ベースといった4種類のパートに分割されており、それらをミックスすることで、フェスティバルを盛り上げていく。観客の満足度はスターの数で示されており、トラックを頻繁に変えて鮮度を維持することや、観客のリクエストに応えることで、観客を喜ばせる。プレイヤーにある程度の自由を与えつつも、スコアを競う「ゲームらしさ」も意識して作られているようだ。

画面下部に表示される青・緑・黄・赤に色分けされた4台のターンテーブルが、各パートの音源を再生する役割を担っている。必ずしも別々のパートを流す必要はなく、たとえばボーカルトラックを複数重ねるといった使い道も可能。また『FUSER』では、曲調の異なる音源であっても、スムーズにテンポやキーをあわせてくれる。DJとしての知識や技術がなくても、手軽にミキシングを楽しめるのだ。以下はゲームプレイの一例。

 

Harmonixは2017年、玩具メーカーのHasbroと提携し、音楽カードゲーム『DropMix』を発売している。無料のモバイルアプリ、ゲームボード、音源データ入りカードを使ってヒット曲をミックスする斬新な作品であった。NFCチップ入りカード最大5枚を同時に読み取り、各カードの音源データをシームレスに組み合わせる技術により、手軽にミキシングするパーティーゲーム『DropMix』(関連記事)。『FUSER』は、そうした『DropMix』のアイデアを、ビデオゲームとして取り入れたタイトルだと言えるだろう。1万円台とやや高価で、モバイル端末、カード、ゲームボードと場所を取りがちな『DropMix』よりも始めやすいとも思われる。

*『DropMix』をプレイする様子

『FUSER』の収録音源は100曲以上。現時点では、Billie Eilishの「bad guy」、Post Maloneの「Better Now」、Migosの「Stir Fry」、The Chainsmokersの「Don’t Let Me Down」といった2010年代後期の旬なアーティストの楽曲。Lady Gagaの「Born This Way」やLMFAOの「Party Rock Anthem」など2010年代前期のヒット曲。さらには50 Centの「In Da Club」、The Clashの「Rock The Casbah」、Blue Öyster Cultの「(Don’t Fear) The Reaper」といった幅広いジャンル・年代の楽曲がアナウンスされている。

ゲームモードは「Campaign Play」「Freestyle Play」「Multiplayer」の3種類。シングルプレイキャンペーンとなる「Campaign Play」では、DJとしてキャリアを積み、観客の心を掴み、成功をおさめていく。「Freestyle Play」は自由にミキシングを楽しめるモード。最大4人の「Multiplayer」では、他のプレイヤーとコラボする、もしくはDJバトルで対決することになる。さらに同作では、「Social Sharing」機能によって自身の音源ミックスやパフォーマンスを他プレイヤーと共有できる。

『Dreams Universe』や『スーパーマリオメーカー』といったクリエイションツールのように、コミュニティ製のコンテンツに期待が持てそうな『FUSER』。対応プラットフォームはPCおよびPlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch。発売時期は2020年秋を予定している。