『ゴーストリコン ブレイクポイント』没入感を高めるイマーシブ・モードは今春配信予定。否定的意見の多かった同作の抜本的な見直しを図る

『ゴーストリコン ブレイクポイント』没入感を高めるイマーシブ・モードは今春配信予定。否定的意見の多かった同作の抜本的な見直しを図る。

Ubisoftは2月24日、『ゴーストリコン ブレイクポイント』(以下、ブレイクポイント)の没入感を高めるイマーシブ・モードおよび新クラスのエンジニアを、今春中に実装する予定であると発表した。当初は2月中の実装予定となっていたが、開発チームによる熟慮の結果、両方とも延期する運びとなった。

イマーシブ・モードでは、昨年11月に実施されたコミュニティアンケートの結果、コミュニティマネージャーが収集したプレイヤーの意見、コミュニティプログラムDelta Companyのワークショップ、そして大量のプレイテスト。これらをもとに、『ブレイクポイント』の遊び方を変えるゲーム体験の創造が目指されているという。

先述したとおり、当初は2月中の配信を予定していたが、新モードの実装は複雑な作業であり、万全の状態で届けるためにも、延期を決断。とはいえ今春にはリリースする予定であり、より具体的な時期に関しては、できるだけ早く発信すると伝えている。計画としては、イマーシブ・モード、新クラスのエンジニア、そしてエピソード2を、同一タイトル・アップデートで提供したいとのことだ。

『ブレイクポイント』を巡っては、2019年7月のローンチ以降、不具合の多さやゲームデザインの根幹部分に関する不満が数多く寄せられており、売り上げとしても不振。同年10月には、UbisoftのCEOが投資家向けに不振理由を説明するとともに、企業としての開発体制の見直しを発表。付随して『ウォッチドッグス レギオン』『Rainbow Six Quarantine(レインボーシックス クアランティン)』『Gods & Monsters』の発売延期を伝えた(関連記事)。

そして同月Ubisoftは、『ブレイクポイント』の今後の計画を発表。コミュニティからの、新しいサバイバルシステムの有効活用を求める声や、RPG色が濃くなったアイテムシステムに反発する声。そうしたフィードバックや、「本格ミリタリー体験」という同シリーズのビジョンをもとに、抜本的な見直しを図ると説明した。なおゲームの発売前にアナウンスされていたAIチームメイトの追加については、大がかりな作業であり、時間がかかると伝えられている。

昨年実施されたコミュニティアンケートの結果は、公式サイトにて公開されている。もっとも要望の多かった変更点・修正点は、AIチームメイトの追加。続いて装備スコアおよびレアリティ分けされた戦利品システムの廃止、敵AIの改善、武器・防具の一括売却オプションの追加を希望するアンケート回答者が多かった。

また同作を巡っては、開発チームからの情報発信・コミュニケーションが不足しているとの指摘がコミュニティから挙がっており、今回の発表において開発陣は、透明性のあるコミュニケーションが求められていることは認識していると説明。そうした要望に、できる限り応えられるよう努めていくと述べた。ただゲーム開発においては未確定要素が多いことから、日程を確定させることが難しく、開発陣が望んでいたほどコミュニケーションを取ることができなかったという(公式サイト)。

事実、『ゴーストリコン』の公式サイトにて月次で公開されていた「今月のゴーストリコン」は、2月に入ってから投稿されておらず、ゲームの現状に関する報告が途絶えることに。コミュニティ内では、期日ギリギリまで情報発信がないことから本作の行方を不安視する声が高まっていた(Polygon)。今回のアナウンスも、ロードマップの期日直前と遅く、結果としてメディアによる否定的な報道を受けて対応したかのように見えると、redditでは厳しめのコメントが目立つ。

延期になったとはいえ、今春という比較的近い時期での実装が予定されているイマーシブ・モード。さらなる情報は、3月5日に発信するとのことだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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