韓国のインディースタジオTinogamesは2月19日、『NEOVERSE』を正式リリースした。2019年1月よりSteam早期アクセス販売されており、1年をかけての正式リリースとなる。正式リリースを果たしたことで、定価が僅かながら上昇している(1840円→1990円)。正式リリースに際しては、UIやデザインの変更、バグの修正などマイナーアップデートがおこなわれている。
『NEOVERSE』は、カードを集めてデッキを構築し、敵と戦う美少女ゲーム。デッキ構築型ローグライトとも表現でき、率直にいってしまえば『Slay the Spire』に3Dと美少女を混ぜ込んだゲームと考えればいいだろう。キャラクターとしては3タイプが存在し、キャラクターごとに用意された初期デッキでゲームスタート。敵と戦いながらカードを集めて自分だけのデッキを構築しつつ、ボス討伐を目指す。戦闘では、限られたコストの中でカードを選択し、敵の攻撃や防御をおこなう。状態異常を与えたり、次のターンの準備に専念したりしつつ、敵を倒していく。
と、概ねのゲームサイクルは『Slay the Spire』と同じなのだが、細部は実は同作とは異なる部分が多い。たとえばカードを使用すれば自動で補充されたり、戦闘中にミッションが用意されていたり、戦闘中に指定される順番でカードを使用することでコンボが決まったり、ポイントを使うことでキャラを成長させられたり。敵の攻撃の数字に防御の数字をあわせることでパリィが決まったりなど、独自要素も揃えられている。ストアにいつでもアクセスできるのも、『NEOVERSE』ならでは。
一方でこの手のジャンルの特徴である、ヒリヒリとした手強いバランスが実装できているとはいい難い。基本的に戦闘難易度はゆるめ。デッキが自動補充されることもあり、手詰まりにはなりづらい。エリート戦を続けていても、手慣れのゲーマーなら物足りなさを感じるだろう。比較的大味な調整が目立つ印象だ。ただし、美麗な3Dと派手なエフェクトによる戦闘シーンは、一見の価値あり。とはいえ、そうした演出が蛇足で冗長に思う可能性もあるだろう。派手さや美少女、大味さも含めて『NEOVERSE』といえるかもしれない。
ちなみに本作は早い段階で日本語に対応していたが、ぎこちない日本語訳が目立っていた。Tinogamesもそれを把握しているようで、有志による日本語の修正を募っている。ゲームをプレイし日本語が気になった語学力のあるプレイヤーはSteamコミュニティのスレッドにて、修正案を出してみるのもいいだろう。
『NEOVERSE』は、1990円でSteamにて販売中だ。