アルゼンチンのゲームスタジオNimble Giant Entertainmentは2月17日、『Quantum League』のSteamオープンベータテストを2月21日に実施することを発表した。同作は「タイムパラドックスシューター」と銘打たれた、1対1もしくは2対2のオンラインマルチプレイFPS。一見すると普通の対戦FPSだが、タイムループの発生を念頭に置いた立ち回りが肝となる実験的なタイトルである。
本作はタイムループにとらわれた状態で対戦するアリーナシューター。一定の時間が経過すると時間が巻き戻され、また同じ戦闘を繰り返すこととなる。ただし、時間が巻き戻るたびに「過去の自分」が自チームに加わっていく。前回のループでの自分の行動をそっくりそのまま繰り返す、自身の「タイムクローン」とともに、新たなループの中で戦い抜くのだ。
舞台となるのは、タイムトラベル技術によってプロスポーツシーンが変貌を遂げた世界。そこでは「Quantum League」と呼ばれる、チーム対戦シューティングスポーツが世界中で展開されている。専用アリーナで競い合うアスリートたちは、各々の身体能力や技術だけでなく、過去と未来の自分との連携力を発揮することで頂点を目指す。かつての自分と対戦相手がどう動いたのか思い描いた上で、新しい自分の行動を決めていく。
たとえば、1回目のループではタル爆弾の爆風に巻き込まれて死亡したとする。2回目のループにおける自身のタイムクローンは、前回のループと同じ行動を繰り返すため、そのまま放っておけば爆死してしまう。だがタイムクローンがタル爆弾に近づく前に、タル爆弾を破壊しておけば、タイムクローンは死なずに済む。3回目のループ時に、2回目のループのタイムクローンが排除されると、1回目のループのタイムクローンを救う展開も取り消される。このように過去の出来事を改変しながら、最終的にコントロールポイントを制圧したり、すべての敵を倒したりといった勝利条件を満たす展開に持ち込むことが目的となる。なおループは最大3回まで。
(UPDATE 2020/02/22 6:30)開発段階のルールから変わった部分を文章に反映。武器はマップ配置ではなく、ループ開始時に選択する形となった。
ゲームルールはデスマッチ、コントロール、ドミネーションの3種類で、計9つのアリーナマップが用意されるという。操作キャラクターは6体。ゲームをプレイすることでレベルやランクを上げ、新しい衣装やスタイルをアンロックできる。武器は、時間が巻き戻されるたびに選択可能。
開発元のNimble Giant Entertainmentは、これまでにMMORPG『Champions of Regnum』や4Xストラテジーゲーム『Master of Orion』を手がけてきたスタジオだ。FPSの開発は『Quantum League』が初。タイムループにとらわれた戦術的FPSというコンセプトを活かせるのか、気になる方は2月21日のSteamオープンベータテストをチェックしておこう。テスト期間中は1対1と2対2の両方がプレイ可能(操作キャラクターは4体)。進行状況は製品版に引き継がれる。Steamでの早期アクセス配信は、2020年Q2を予定。