Activision Blizzardは、NVIDIAのクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」から撤退したようだ。GeForce NOWは2月4日にベータテストを終え、海外で正式リリースしたばかりのサービスだ。海外メディアKotaku、Polygonなどが報じている。
GeForce NOWは、NVIDIAが提供するクラウドゲーミングサービス。NVIDIAの GeForce GPUを搭載したサーバーでゲームを実行して、個人のデバイスでゲームをストリーミングできる。対応デバイスはPC、Mac、Androidスマートフォンなどで、ある程度の通信速度があれば一定のパフォーマンスでゲームをプレイできる。GeForce NOWはゲームの販売は行っておらず、SteamやEpic Gamesストアで購入したゲームを所有している必要がある。プレイするたびに、ゲームをサーバーにインストールして遊ぶ。料金プランには、無料で遊べるが1セッションあたり1時間しか遊べないFreeプランと、月額4.99ドルで優先的にサーバーへアクセスできるFoundersプランの二つが存在する。日本ではSoftBankとNVIDIAが提携してサービスを展開しており、現在ベータテストが開催中だ。
NVIDIA が運営する「GeForce NOW」の北米、欧州でのサービスインが発表されました ! ? 高性能を要求する PC ゲームが、様々なデバイスで遊べるようになります。一部タイトルは #RTXOn にも対応 ! ?
発表記事 (英語) : https://t.co/P1faHOiN9p
「GeForce NOW」公式サイト : https://t.co/kjGTI2Nj9R pic.twitter.com/NPPpN1uhMk— NVIDIA GeForce JP (@NVIDIAGeForceJP) February 5, 2020
NVIDIAのフォーラムで担当者が投稿したところによると、「(Activision Blizzardの)要請に応じて、Activision Blizzardのゲームはサービスから削除されるためご了承ください」とのこと。これによってActivision Blizzardがパブリッシングしている『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(海外のみ)、『Call of Duty』 シリーズ、『オーバーウォッチ』、『ハースストーン』といったゲームは、GeForce NOWでは遊べなくなるようだ。さらにNVIDIAのフォーラムの投稿には、「(Activision Blizzardの撤退は)残念ですが、Activision Blizzardと協力して、これらのゲームなどを再び利用できるように望んでいます」とあり、NVIDIAとしては本意ではなかったことがうかがえる。
Activision Blizzardは、GeForce NOWを去った理由について発表を行っていない。ただ1月24日にActivision BlizzardはGoogleと提携し、YouTubeでeスポーツ大会の独占配信を行っていくことが報じられていた(関連記事)。Overwatch League、Call of Duty Leagueといった大会が該当。さらにActivision Blizzardは、Google Cloudをゲームインフラとして活用し、Googleが提供するクラウドゲーミングサービスである「Google Stadia」に注力していく方針も明らかにしている(The Motley Fool)。こちらもGeForce NOWからの撤退と関係があるかもしれない。
またActivision Blizzardのほかにも、Capcom、Electronic Arts、Remedy Entertainment、Rockstar GamesなどのタイトルがGeforce NOWからなくなっていると報じられている(The Verge)。とはいえ、NVIDIAの投稿内で強調されているように、GeFoce NOWではいまだに1500本以上のゲームを遊ぶことができる。ストリーミングサービスにおいてコンテンツのラインナップが時とともに流動することは珍しい話ではない。サービスの正式リリースの一週間後に突然Activision Blizzardが撤退したことはユーザー側からすれば残念なニュースだが、まだまだ見守る必要がありそうだ。