Electronic Artsは2月12日、レースゲーム『Need for Speed』シリーズの開発担当スタジオについて、近作を手がけていたGhost Gamesから、かつて担当していたCriterion Gamesに移す予定であることを、海外メディアGamesIndustry.bizを通じて明らかにした。
Ghost Gamesは、もともとEA Gothenburgとして2011年に設立され、のちに改名。2013年発売の『Need for Speed Rivals』から昨年発売された最新作『Need for Speed HEAT』までのシリーズ4作品の開発を担当してきた。設立メンバーには、Criterion GamesやDICE、そして『Forza Horizon』シリーズのPlayground Gamesなどから移籍してきたスタッフがおり、レースゲーム開発に特化したスタジオだったが、今回の再編後はFrostbiteエンジンに精通しているスタッフを中心に、EAタイトル全体の技術サポートに回るという。また、スタジオ名もかつてのEA Gothenburgに戻すとのこと。
『Need for Speed HEAT』では、発売初週のプレイヤー数が現行コンソール世代のシリーズ作、すなわちGhost Gamesが手がけてきた作品の中で最高を記録しており、好調であることがうかがわれた。ただEAによると、AAAクラスのレースゲームを一貫して制作していくために必要な優秀なスタッフを、同スタジオのあるスウェーデン・ヨーテボリに呼び込むことにはかねてから苦労していたそうだ。結果的に、この地では同スタジオを維持するための幅広いタレントを集めることは難しいと判断し、今回の再編に至ったという。
『Need for Speed』シリーズの開発を受け継ぐCriterion Gamesは、『Burnout』シリーズの開発元として広く知られ、2004年の『Burnout 3: Takedown』の発売直前にEAの傘下に入った。これまでには『Need for Speed: Hot Pursuit』や『Need for Speed: Most Wanted』を手がけた経験もあり、いずれも高い評価を得ている。
一方で、近年の同スタジオは『Battlefield V』や『Star Wars Battlefront』シリーズの一部ゲームモードを担当するなどDICEのサポートに回っている。未発表の作品に携わっていたという情報もあるが、レースゲーム開発からはやや遠ざかっているような印象だ。先述したように一部のスタッフはGhost Gamesに移籍しており、また共同設立者は新スタジオThree Fields Entertainmentを立ち上げて独立し、『Burnout』の精神的続編とも言うべき『Dangerous Driving』などを発売している。
それでも、Criterion Gamesはイギリス随一の規模を誇る開発スタジオであり、新たな『Need for Speed』体験を生み出し続けるためのリーダーシップを備えているとEAは評す。そして、レースゲーム開発における歴史や情熱、ビジョンをもって、同シリーズを次世代に届けるだろうとしている。そのために今後はスタッフの拡充も計画しており、Ghost Gamesから移ってくる人材もいるとのこと。
Criterion Gamesが手がける『Need for Speed』シリーズ新作についての情報は現時点では明らかになっていない。同スタジオは、レースゲームの開発元として今も多くのファンを抱えており、その新作には早くも期待が高まっているようだ。