モンスター育成MMORPG『Temtem』にて約900アカウントにBAN処分。開発元は「抗議は受け付けない」と突っぱねるもすぐ撤回

デベロッパーのCremaは2月3日、現在Steamにて早期アクセス販売中のモンスター育成MMORPG『Temtem』において、約900アカウントをBANしたと発表した

デベロッパーのCremaは2月3日、現在Steamにて早期アクセス販売中のモンスター育成MMORPG『Temtem』において、約900アカウントをBANしたと発表した。今年1月22日に発売された本作にて、BAN処分がおこなわれたのは今回が初めてのことだ。

『Temtem』は、『ポケットモンスター』シリーズから影響を受けるMMORPG。空中諸島を舞台に、テムテムと呼ばれるかわいいモンスターを捕獲・育成しながら、浮遊島の探索やバトルをおこなう。MMOであるためほかのプレイヤーも存在し、一緒に冒険を楽しんだり対戦することも可能だ。本作は、本稿執筆時点でSteamの全世界売り上げ上位ランキングのトップに位置しており、同時接続プレイヤー数は平均2万人程度で推移。ピークタイムでは4万人に迫る。多数のプレイヤーが押しかけているためか、しばしばサーバーが不安定になることがあるようだが、ゲームそのものは高い評価を得ている。

一方で、本作においては早くもチーターの存在が報告されている。専用のチートツールを販売する業者も現れており、たとえば所持金を無限にしたり、エリア内で捕獲できるテムテムの情報を表示したり、あるいは特定のアクションを自動化したり、歩き回ることなくすぐにエンカウントできたりなどが可能なようだ。マルチプレイにおいては、こうした行為はゲームの寿命に影響を及ぼしかねないだろう。

開発元Cremaは、今回BAN処分を下した約900アカウントについて、チートもしくは意図的にゲームの脆弱性を悪用していたことが100パーセント間違いないと確認できたとし、処分は最終的なものであると発表。処分に対する抗議があっても回答せず、再調査することもないと厳しい姿勢を示した。

ただ、この抗議は一切受け付けないという対応には、多くのファンから苦言が寄せられることとなる。というのも、本作はまだ早期アクセス段階であるため多くのバグが存在すると思われる。脆弱性も含めすべて公表されていれば避けることができるが、もし未知のバグなどを偶然利用したためにBANされてしまった場合、抗議すらできないのは理不尽であるというのが彼らの意見だ。また事実かどうかは不明だが、Nintendo Switch Proコントローラーでプレイするために、外部ツールのXpadderとProconXInputを利用しただけでBANされたと主張するプレイヤーもいる。

こうした反応を受けて開発元Cremaは、バグや脆弱性を見つけただけではBANされることはないとコメント。すべてのデータをチェックした上で、繰り返し悪用していると判断されたプレイヤーだけがBANの対象であると明確にした。

また、無実を訴える100以上のアカウントについて今回の発表前に再確認した結果、そのすべてにおいてBANに値するものだったとも述べている。そして「チーターの言うことは信用するな。彼らは、次は上手く処分を回避しようと考え、役立ちそうな情報を引き出そうとしているだけだ」とし、そうした抗議はすべて嘘であると切り捨てた。

しかしそれからわずか1時間後、同スタジオはBAN処分に対して抗議があれば再調査を実施すると発表。内部調査で間違いないと確認したアカウントも含め、調査し直すと方針転換した。抗議を一切受け付けないポリシーは良くなかったとコメントしており、ファンの懸念に応えた形だ。抗議する場合は、件名を「Ban appeal」とし、ゲーム内IDかユーザーネームを書き添えてサポート宛にメールしてほしいとのこと。

人気オンラインゲームの仲間入りを果たした『Temtem』においても、チーターの存在は頭の痛い問題のようだ。不正行為に対して強い態度で臨むこと自体は支持されるべきだろうが、まだ早期アクセス中ということもあり、プレイヤーとしては「100パーセント間違いない」という開発者の言葉が信じきれない部分があったのかもしれない。いずれにせよ、開発元Cremaは今後もチーターの検出とBAN処分を続けていく方針で、空中諸島には彼らの居場所はないとコメントしている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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