任天堂は1月31日、2020年3月期における経営方針説明会の内容および資料を公開した。その中で、新型Nintendo Switchの年内リリースの可能性を自ら否定している(リンク先はPDF)。Nintendo Switchにおいては、昨年Nintendo Switch Liteがリリースされたほか、本体のGPUをオーバークロックさせて遊ぶゲームも登場しており、スペックアップさせた上位版が発売されるという噂が後をたたない。そうしたモデルの発売は、2020年内には実現しなさそうだ。
任天堂は無印Nintendo SwitchとNintendo Switch Liteの販売台数の好調さを強調。日本だけでなく欧米でもセルスルーが上積みされていることを報告しつつ、この2つの本体をさらに販促としてくとコメント。その補足として「ちなみに、2020年内にNintendo Switchの新モデルを発売する予定はございません。」と付け加えている。
上位版となるNintendo Switchプロについての噂は、2019年から根強く流れ続けているほか、2020年に入っても台湾メディアDigiTimesは、サプライチェーンなどの情報をもとに、2020年中期に任天堂が新型Nintendo Switchを発売するだろうと報道。また韓国メディアClienは台湾から得た情報をもとに、Voltaアーキテクチャを搭載した、Pro版を2020年末に発売すると報道。4K解像度などには対応しないものの、NVIDIAのVoltaアーキテクチャによりパフォーマンスの向上が期待できると予想していた。DigiTimesはNintendo Switchの発売時期の報道をはじめとし、任天堂絡みの情報を外し続けてきたメディア。台湾をソースとしたClienの報道も眉唾ものであったが、このたび公式に2020年内に新モデルを出さないと公言したことにより、その噂は噂のまま消えていくことになる。
ちなみに任天堂の古川俊太郎氏は昨年4月、つまりNintendo Switch Lite発表の3か月前、新モデルの存在について問われた際「原則として我々は常に新しいハードウェアに取り組んでおり、販売できるようになったら発表する予定です」と語りながら、「今年6月のE3でそれを発表する予定はありません」とコメントしていた(Bloomberg)。つまり、E3での発表は否定しながらも、新モデルの存在までは否定はしていなかった。嘘はついていなかったわけだ。今回、経営方針説明会という場で自発的に新モデルの存在を否定したという事実は、信じるに足る発言だと考えてよさそうだ。
なお今回の説明会においては、Nintendo Switch向け『アストラルチェイン』が103万本を売り上げていたことや、『リングフィットアドベンチャー』の売上が217万本を突破したことなど、さまざまな新作タイトルのセールス状況が把握できる。投資家でない方も、一度資料を見てみると面白いかもしれない。