『Skyrim』の景色を『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』風に変えるModが開発中。その名も「Breath Of The Wildrim」


重厚な世界観をベースに、圧倒的な自由度とボリュームを誇る『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、Skyrim)。リンクとなり、広大な自然と多彩なアクションに満ち溢れたハイラルを駆け巡る『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、BotW)。どちらの作品も多くの高評価を集める大作オープンワールドゲームである。そしてこの度、なんと『Skyrim』のグラフィックを『BotW』風に彩るという、夢のようなModが開発されているようだ。

今回、ある種の大作同士のコラボとも言えるプロジェクトを発足したのは、ModderのReallyBigSandwich氏。同氏は、PC版『Skyrim』におけるフォトリアルなグラフィックを、『BotW』のようなトゥーン調の表現に差し替えるModを開発しているようだ。その名も「Breath Of The Wildrim」。redditに投稿された説明文によると、同Modは「Artistic Skyrim Overhaul」をはじめとした複数の既存Modをベースに制作されているという。

Artistic Skyrim Overhaul」(以下、ASO)とは、2017年に開発・配布された『Skyrim』向け大型オーバーホールModの名称である。同Modを導入すると、スカイリム地方の各ロケーションやキャラクター、自然環境に至るまで、全てのグラフィック表現が大幅に変化。油絵、絵画、トゥーン調、以上3つのアートスタイルからひとつを選択し、適用することができる。そして、これらのテクスチャが『BotW』にて描かれるグラフィック表現と見た目が似通っているということもあり、今回ReallyBigSandwich氏は「Breath Of The Wildrim」を開発するうえで、こうした既存Modを活用しているというわけだ。

*「ASO」を導入した『Skyrim』のプレイ動画。動画内では、トゥーン調グラフィックが適用されている。

一方、プロジェクトの完成には膨大な量の作業が必要なようで、前述した「ASO」を使用している背景には、120種以上のテクスチャをイチから作り直すことに疲れたという理由もあるようだ。特に木々から生える葉の表現に関しては、PS1時代のグラフィックのように荒くなりがちだったとも述べている。「ASO」には、『BotW』の世界を再現するうえで便利かつ適切な素材がたくさん詰まっているのだろう。

しかし「ASO」は現時点でまだWIP(制作途中)の段階であり、全てのテクスチャを流用することは難しいという現状もある。そのため、「Breath Of The Wildrim」を完成まで持っていくには、他のユーザーの助けが必要だという。再作成の必要があるテクスチャがまだ多く残っており、ReallyBigSandwich氏一人の作業では到底終わらない量のとのこと。そこで氏は現在Discordにて、ともにMod制作に取り掛かる有志を募集している。また、作成のための素材は全て取り揃えているという。Mod作成経験者、そして『BotW』と『Skyrim』が好きな方は参加してみてはいかがだろうか。

ちなみに、今回のReallyBigSandwich氏による「Breath Of The Wildrim」プロジェクトの報告には、同Modの完成に期待を寄せるコメントが多数寄せられている。配布が今から待ち遠しいとの声や、非常に興味がそそられるとのコメントなどが届けられており、やはり『BotW』と『Skyrim』、2大傑作オープンワールドの融合を嬉しく思うユーザーは多いようだ。 予想以上の反響にReallyBigSandwich氏は驚いたようで、redditにてコミュニティユーザーに感謝の意を述べている。

また、開発に関する質問もいくつか投げかけられている。たとえば「風景だけでなく、アーマーや武器、クリーチャーまでリテクスチャの対象となるのか」や「建物もトゥーン調になるのか」などなど。これらの疑問に対しReallyBigSandwich氏は、“すべて”リテクスチャの対象となると答えている。おそらく、ワールドの隅々に至るまで『BotW』化をはかる予定なのだろう。なお氏は、大の『BotW』好きであることを公言している。「Breath Of The Wildrim」は、強い“ゼルダ愛”が込められた大型Modとなりそうだ。

『Skyrim』と『BotW』、どちらのタイトルもファンタジーな世界を舞台にしたオープンワールド作品。テイストこそ大きく異なるものの、両作品ともに多大な人気を抱えていることは言うまでもない。Modという形ではあるが、そんな大作同士の融合に興味を惹かれるユーザーは多いことだろう。完成までにはもう少し時間がかかりそうだが、公開されている画像からはクオリティの高さを伺うことができる。どこか寒々しいスカイリム地方が、ハイラル王国のような豊かな景色に包まれる日を楽しみに待っておこう。