下品な男が町をカオスに陥れるシム『Wanking Simulator』Steamにて体験版配信開始。路上で右手を激しく動かし技を発動


パブリッシャーのUltimate Gamesは1月3日、『Wanking Simulator』の体験版をSteamにて配信開始した。本作は、ポーランドのインディーデベロッパーMrCiastkuが開発する、一人称視点の3Dシミュレーションゲームだ。

本作の主人公は、Winston Gayと呼ばれる男。Gay Bayという、教会のある田舎町で暮らしていたが、騒々しくしていたことで隣人からクレームが入り、政府から家を追い出されてしまった。そしてWinstonは、町の人々を頭のイカれたテロリスト呼ばわりし、家を追われた恨みを晴らすためパンイチ姿で復讐を始める。

『Wanking Simulator』にはストーリーモードのほか、体力や所持金、重力、警官の有無などを自由に設定してプレイできるサンドボックスモード、闘技場にて敵を倒し続けるウェーブ制のアリーナモード、そして特定のミッションに挑戦するチャレンジモードがある。体験版ではチャレンジモード以外をプレイ可能だ。

ストーリーモードにはメインミッションとサブミッションが複数用意されており、たとえばメインミッションには「聖書を盗む」や「学校にいる教授と話す」といったものがある。そして、目的をこなすとまた新たなミッションが追加されていく。一方のサブミッションには「車を4台爆破させる」や「3人を宇宙へ殴り飛ばす」など、数をこなすタイプの目標が用意されている。町を自由に探索する中で、こうしたミッションをこなしていくことが本作のゲームプレイのひとつだ。

主人公のアクションとしては、殴ったり蹴ったり、あるいは物を拾って武器にして振るうことが可能。町の住人は、こちらから攻撃しなければ基本的には無害だが、攻撃したり他人の住居に侵入した場合は反撃してきたり警察に通報される。殴った人間やオブジェクトは物理演算により派手に吹っ飛んでいくことが特徴で、暴れまわり破壊を重ねるたびにスコアが加算されていく。細かいことを考えず、破壊行為に勤しみハイスコアを目指すことも、本作の正しい楽しみ方だと言えるだろう。

バイオレンス・アクションゲームとも言える本作だが、同種のほかの作品にはない独自要素を備えている。それが本作のタイトルにもある「Wanking」で、これは「自慰行為」を意味する。主人公の男は、自慰行為の際にうるさくしていたため家から追い出されたのだった。そして、プレイヤーは指定の操作でWankingを始めることが可能で、男の右手が股間で激しく動くと共にスコスコと音が鳴る。まったくもって下品なこの行為により、出会った住民は逃げ惑ったり、何故かうっとりするような仕草をしたり、また警官が猛ダッシュで駆けつけ殴りかかってくる。

自己満足行為でしかないように思えるWankingだが、住民に“見せつける”ことで、どういうわけか主人公のマナゲージが溜まっていく。主人公には、爆発を起こしたり体力回復などのスペル(魔法)を装備でき、これを発動するにはマナが必要なのだ。スペルは、住民を倒した際にドロップするお金で購入できる。また主人公には、破壊行為により上昇するもうひとつのゲージがあり、こちらはCumshotを発動するためのもの。その言葉の意味についてはここで説明はしないが、Wanking中に何か“白い液体”を噴射し、住民を攻撃したりマナを吸収することができるアビリティだ。このようにWankingはリスクもあるが、強力なエネルギーを秘めた行為でもある。

本作をユーモアに溢れた作品と評するのか、ただただ下品と感じるかは人によってわかれるだろう。上に掲載したトレイラーも好評・不評に真っ二つに分かれ、Steam掲示板でもベストゲームだと面白がる人もいれば、取り下げるべきだと主張する人もいる。あるいは、Epic Gamesストア独占にしてくれというコメントも。こうした意見に対しては、開発元MrCiastkuがユーモアで切り返す様子が見られる。また本作は、過激であったり下品な表現を含む人気アニメ「サウスパーク」の影響を受けて制作しているとのこと。

『Wanking Simulator』は、Steamにて2020年第1四半期に発売予定。製品版では日本語表示にも対応するようだ。興味のある方は、まずは配信中の体験版を試してみると良いだろう。