『Apex Legends』開発元CEOが、DICEのLAスタジオのトップを兼任へ。独自タイトル開発にてEAのポートフォリオ拡充を目指す
Electronic Artsの傘下スタジオRespawn Entertainmentの共同設立者・CEOのVince Zampella氏が、同じくEA傘下であるDICEのLos Angelesスタジオのトップに就任することが明らかになった。同氏へのインタビューをおこなった現地紙Los Angeles Timesが報じている。
From 'Titanfall' to 'Star Wars,' the evolution of game studio Respawn mirrors our search for story https://t.co/z2Fz7NrxXi
— Los Angeles Times (@latimes) January 2, 2020
Vince Zampella氏は、Jason West氏と共に『Call of Duty』シリーズの開発元Infinity Wardを設立した人物としても知られ、2010年に両氏はEAの支援を受けRespawnを設立して独立。『Titanfall』シリーズを手がけたのちにEAの傘下に入り、2019年には『Apex Legends』や『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』をリリースした。一方のDICE LAは、『Battlefield』シリーズなどを手がけるDICEへの開発サポートをおこなっているスタジオである。
Zampella氏のDICE LAのトップ就任は、EAの傘下スタジオを統括するLaura Miele氏によって進められており、Zampella氏のリーダーシップのもとオリジナルタイトルの開発をおこなうことで、EAのポートフォリオの拡充を目指しているという。Miele氏はZampella氏について、同スタジオをクリエイティブに導きチームを構築していくだろうと期待を述べる。また、DICE LAはサポートチームから真にスタンドアロンなスタジオへと移行し、EAはLAエリアに非常に強力なスタジオを保有することになるともコメントしている。
Zampella氏によると、DICE LAはスウェーデン・ストックホルムに拠点を置くDICEや、Respawnからは分離した存在になるという。同じEA傘下スタジオとして知識の共有をおこない相互作用を得ることにはなるが、ゲームの制作は独自におこなうとのこと。これにあたってZampella氏は、DICE LAからスタジオ名を変更する可能性にも触れている。DICEのサポートスタジオというイメージから、新たなコンテンツを生み出す場所に変わったということを示すためには、ブランドの一新は重要であるとの考えからだそうだ。
なお、海外メディアKotakuの記者Jason Schreier氏は、Zampella氏はRespawnを辞めたわけではないと報告している。これに関連して、海外フォーラムResetEraユーザーであるDICEスタッフのelenarie氏(認証済みアカウント)は、EAの傘下スタジオはそれぞれにゼネラルマネジャーを置いており、加えて地域ごとにもGMがいると明かす。たとえばDICEは、Criterion GamesやGhost Gamesと同じスタジオグループに属しDavid Rutter氏が統括している。もともとDICE LAもここに属していたが、同じLAに拠点を置くRespawnと共にZampella氏が率いる形に移行するようだ。
DICE LAが今後手がけるオリジナルゲームについての情報は、現時点では一切明らかになっていない。Respawnは『Medal of Honor: Above and Beyond』をVR専用タイトルとして開発中だが、DICE LAは前身となるDanger Close Games時代には『Medal of Honor』シリーズを多く担当していたことで知られ、その新作が期待されそうだ。また、DICE LAは『Battlefield: Bad Company 3』を開発しているのではとの噂が囁かれたこともあった。Respawnを成功に導いたVince Zampella氏のもと、同スタジオがどのような作品を手がけるのか注目される。