『PUBG』のPlayerUnknown氏による新プロジェクト「Prologue」発表。新しいテクノロジーとゲームプレイを探求


PLAYERUNKNOWN Productionsは12月13日、米国ロサンゼルスで開催された「The Game Awards 2019」にて、新プロジェクト「Prologue」のティザー映像を公開した。現時点ではほとんど情報が公開されていないが、公式サイトによると「Prologue」は新しいテクノロジーとゲームプレイを探求するためのプロジェクト。毎プレイ記憶に残る、ユニークな体験をプレイヤーに届けられるようなゲームを目指しているという。

PLAYERUNKNOWN Productionsは、『PUBG』のクリエイティブ・ディレクターを担当していたPlayerUnknownことBrendan Greene氏が所属する、PUBG Corp.の新スタジオ。オランダに拠点を置いている。Greene氏は『PUBG』チームから抜けたのち、新しい技術やツール、ゲームプレイなどの研究開発を主眼とした部門に異動したと、2019年3月に発表されていた。その際には「新しいオンライン体験や、人々をつなげる新しい方法」を模索していると語っていたほか、「私はこれまでに、殺し合いを楽しめるゲームを提供できてきたと思っています。ですが今後は、また違ったことを探求してみたいのです」とコメントしていた(関連記事)。プロジェクト「Prologue」もそうした取り組みの一環なのだろうか。

またForbesのインタビューにてGreene氏は、実験的かつ過酷で容赦無い様や、プレイヤーが戦況全体を把握しきれないスケール感も「PlayerUnknownゲーム」の構成要素に含まれるだろうと伝えている。Greene氏の夢のひとつは、何百平方キロメートルもの広大な世界に、何千ものプレイヤーが集えるようなゲームを作ることだという。インタビューではそのほかにも、「Prologue」はPLAYERUNKNOWN Productionsの長い歩みの序章を示すものであり、「これは私にとって、冒険の第一歩です」と答えている。「私たちは、新しいテクノロジーを実験するという目的のもと、新しいスタジオを設立しました。今は新しいテクノロジーを作り上げる最初の一歩を踏み出している段階。”Prologue”は私たちにとって、新天地への第一歩なのです」。

その発言内容から、「Prologue」はゲームそのものを直接指す名称というよりは、研究開発プロセスのパート1といった印象を受ける。今回のティザーは、雷雨に覆われた森林地帯を、一人称視点カメラで見渡しているようなシチュエーションとなっている。まずは映像まわりの技術を実験しているということだろうか。なお、PLAYERUNKNOWN Productionsは今年2月に設立されたばかりで、現在のメンバーは25人ほど。ゲーム業界出身者に限らず、原子物理学者や、システムマネジメントとAIの博士号を持った研究者までがプロジェクトに関与しているという。

PUBG Corp.傘下では、プロジェクト「Prologue」とは別途、『PUBG』と世界観を共有する、ナラティブ性のある新規タイトルが開発中。米国カリフォルニア州に新設されたStriking Distanceというスタジオが担当しており、そちらもバトルロイヤルではない別ジャンルのゲームになると考えられている。PUBG Corp.は、バトルロイヤル以外、もしくはバトルロイヤル以降の市場に向けて種まきを始めている。”PlayerUnknown”の名が再びゲーム業界を席巻する日がくるのかもしれない。