女子高生と一緒に外国語を学ぶゲーム『Wasumi’s Dream Adventure』発表。昼は勉強し、夜はなぜかメックスーツで白熱バトル


イギリス・サウサンプトン大学の学生Travis Ralph-Donaldson氏は11月13日、アクション・アドベンチャーゲーム『Wasumi’s Dream Adventure』を発表した。Ralph-Donaldson氏は同大学の博士課程で学んでおり、インディーゲームを用いる教育スタートアップを立ち上げ本作を開発中。本作は、ゲームプレイを通じて日本語・英語・中国語を学べる作品だという。

『Wasumi’s Dream Adventure』の主人公Wasumiちゃんは、普通の子とはちょっぴり違う、福岡県出身の18歳の女子高生(身長160cm・体重52kg)。昼間は、彼女の叔父であるAchu先生(イギリス人)から外国語を学びつつゲームを楽しんでいるが、夜になり眠りにつくと、意識は夢のファンタジー世界に転送。そこでは彼女は“スーパーメックガール”となり、Achu先生に似た悪のサイボーグRobochuと戦っている。ちなみに、主人公は忘れっぽいという設定からWasumiと名付けられたそうだ。

まず、昼間はWasumiちゃんの部屋でお勉強。日本語・英語・中国語のいずれかを聴いたり話したり、また読み書きをゲームに置き換えて学ぶ。文法や翻訳などについても学習できるという。ここでは一般的な学習法を取り入れており、例として平仮名を書き順通りに正しく書く練習が紹介されている。問題に正解すると、後述する「漢字コイン」をゲットできる。なお、本作は表示言語も日本語・英語・中国語に対応予定とのこと。

そして、教師であるAchu先生にはAIが導入されており、もしプレイヤーが間違った答えをした場合、それを正してくれるだけでなく、なぜそのような間違いに至ったのか、理解できるよう過程を説明してくれるという。現時点では音声の認識には対応していないが、プレイヤーの発音に対してもアドバイスを送れるようAIをさらに改良中だそうだ。

机に向かって勉強するだけでなく、ミニゲームとしてボードゲームを楽しむこともできる。もちろん、こちらも言語スキルを磨ける内容となっており、ボキャブラリーや語順、スペルなどを学べるという。たとえば、7つの絵が描かれたカードデッキを手にし、一致する絵のあるカードがあった場合、その絵を声に出して切っていく「Snatch」などが用意される。ボードゲームに関しては最大4人でプレイ可能だ。

そして夜になると、夢の国に誘われたWasumiちゃんはメックスーツに身を包み、また別のミニゲームに挑戦する。現時点では2種類紹介されており、まずは「Sky Defender」。空を飛びながら、敵であるRobochuからクリスタルを守るゲームだ。Robochuは言葉の書かれたロケットを複数発射するため、クリスタルに着弾する前にそれぞれの意味を正しく答えてシールドを張らなければならない。

もうひとつは「Samurai Slow-down」と呼ばれる3Dリズムゲーム。まだ開発初期の段階だそうで具体的な映像はないが、怒れる侍がタケノコを投げつけてきて、それを斬ってスライスする『Fruit Ninja』風のミニゲームだという。その中で、漢字の書き順などを学べるそうだ。

本作では、このように本格的な言語学習要素を取り入れながら、ゲームとしても楽しめる要素を用意しているようだ。そして、Achu先生などのNPCに話しかけ、こうしたミニゲームをアンロックしながら、物語を進めていく内容になる。

本作は、教育はすべての人に提供されるべきとの考えから、PCとモバイル向けに基本プレイ無料ゲームとして配信する計画とのこと。すべての要素は課金せずともゲーム内にてアンロック可能で、そのためには先述した漢字コインが必要だ。新たな問題のほか、ゲームエリアやWasumiちゃん用のコスメアイテムなどがアンロックできる。漢字コインは課金して入手することもできるが、フェアなバランスになるよう特に注意を払っているそうだ。なおガチャ要素は存在しない。

また、冒頭のトレイラーで気付いた方もおられるかもしれないが、本作はフルボイスで日本語にも対応。Wasumiちゃんの声は、多数のアニメ・ゲーム作品などに携わる声優の木野日菜さんが担当している。そしてAchu先生の声は、同じく出演作品多数のベテラン声優・井上和彦さんが担当。今年の9月に日本を訪れ収録をおこなったそうだ。楽曲は、『スーパードンキーコング』や『スターフォックス アドベンチャー』『Yooka-Laylee』などに携わった作曲家David Wise氏が提供している。また、各言語に精通した教師らが問題の監修にあたっているとのこと。

『Wasumi’s Dream Adventure』は、現時点で60パーセントほどの開発状況だそうで、現在Kickstarterにて残る開発費を募っている。ストレッチゴールの達成状況によっては、キャラクターやステージの追加、またコンソール版の発売などもおこなうとのこと。興味のある方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。