『ポケモンGO』ユーザーによるポケストップ新設申請と、その審査がついに実装。過疎地を活性化させる福音となるか
Nianticは11月14日、『ポケモンGO』において日本国内からのポケストップの申請と、その申請を審査する「Niantic Wayfarer」プログラムを実装したと発表した。今回の発表は大きく分けてふたつ。一般ユーザーによるポケストップの申請が可能になったこと、そして選ばれたユーザーがその申請を審査できるようになったこと。これまでは『Ingress』のポータルに基づき設置されていたポケストップが、ついにユーザーの手によって設置できるようになる。
トレーナーの皆さんにお知らせです!新しいポケストップの申請と、申請を選定する機能「Niantic Wayfarer」がレベル40のトレーナーに向けて公開されました! #ポケモンGO https://t.co/zeslMBpV1r pic.twitter.com/O3cUTIxRvW
— Pokémon GO Japan (@PokemonGOAppJP) November 14, 2019
ポケストップ申請
ゲーム内にて、ポケストップ申請が可能になる。必須条件としては、トレーナーレベル40であること。トレーナーレベル40のプレイヤーは、設定項目から「ポケストップを増やす」を選択できるようになった。手順としては、まずマップ上で場所を設定する必要があり、オレンジ色のポケストップピンをタップもしくはドラッグして、申請したいポケストップがある位置に移動。その後ポケストップ候補の写真を撮り、周辺の写真も撮影。タイトルと説明を追加し、諸々の情報を確認。情報を送信すれば申請完了だ。その後、後述するようにコミュニティの審査があり、申請の可否がメールによって届けられる。
ポイントとしては、複数ユーザーから高い評価を受けたものが順次承認されていくようだ。ポケストップの候補を Niantic に提出する際、そのコンテンツの所有権は問われないとも。申請可能なのは14日間で7件。そのほか、申請にふさわしいポケストップと、ふさわしくないポケストップのガイドラインが公式より提示されている。
ふさわしい
・興味深いエピソードがある場所や、歴史的または教育的に価値のある場所
・興味深い芸術作品や、一風変わったユニークな建築物 (彫像、絵画、モザイク画、ライトアップなど)
・隠れた名所や地元で人気の場所
・公園
・公立図書館
・一般に開放されている宗教施設
・主要な駅やターミナル
ふさわしくない
・歩いて行くことができない場所
・個人の住宅およびその敷地
・消防署、警察署、病院の業務に支障をきたすおそれがある場所
・幼稚園や保育園、および、小中高校の敷地内にあるもの
・景観や山、滝といった自然の風景 (ただし関連する看板、標識などの人工物は申請可能)
・1 年のうち特定の期間に設置されているもの (季節的な展示など)
・成人向けの店舗やサービス (酒屋、成人向けエンターテイメント、射撃場、銃器店など)
ポケストップ審査
新たな申請プログラム「Niantic Wayfarer」によって、ポケストップの審査がおこなわれる。こちらも、まず前提としてトレーナーレベル40であることが必須。「Niantic Wayfarer」に参加し審査者になるには、いくつかの手順を踏む必要がある。手順としてはwayfarer.nianticlabs.comより、『ポケモンGO』と連携しているGoogleアカウントやFacebookアカウントでログイン。審査者になるのに適しているのかを測る、10の質問(テスト)に回答する。
このテストはポケストップの理解度をはかるテストであるので、前述したふさわしい/ふさわしくないスポットといった基本的な知識を持っておく必要がある。具体的には、「歩いていけない場所に設置してもよいか否か」といったもの。なお審査者になるテストについては、1度落ちると30日待たなければいけないという報告も(Reddit)。また2度まで受けられると記載されているは、3度目が可能であるのかは不明なので、できれば一度で合格したいところだ。
「Niantic Wayfarer」のプログラムに参加すれば、ポケストップの申請を審査可能に。写真や場所名はふさわしいか、歴史的もしくは重要なスポットか、ユニークであるか、場所が正しいか、安全であるかなど、事細かい審査を5つ星で査定していく。問題ないという評価が複数人から集まれば、はれてポケストップが生まれるわけだ。
つまるところ、今回の実装によって『ポケモンGO』でもポケストップが申請すること、そして審査するシステムが実装された。冒頭でも述べたようにこれまで『ポケモンGO』では、『Ingress』で認可されたポータルがポケストップとなっており、ユーザーによってポケストップを増やすにあたっては、『Ingress』のポータル申請をする必要があるなど、新設の難易度が高かった。
ポケストップがなければ、本作はゲームとしてなかなか成立しづらい。郊外や過疎地でポケストップが増えるとなれば、長年議論されている地域格差は改善されていくかもしれない。Nianticは先日、レイドバトルのボスの強さ調整などもはかっているとも明かしており(関連記事)、ポケストップだけでなくレイド関連についても、人のいない地域向けの調整が進められることを望みたい。ただ気になるのは、申請も審査も進めるにあたってはトレーナーレベルが40でなければならない点。『ポケモンGO』にてトレーナーレベル40になるには、膨大なアクティビティをこなす必要がある。過疎地や郊外ではトレーナーレベルを40にすること自体が難しい。そうした細かい点についても、今後のアップデートによる調整を期待したいところだ。