『DOOM』クリエイターのRomero氏が、近年のシューターに意見。武器が多すぎる

初代『DOOM』のゲームデザイナーのひとりとして知られるJohn Romero氏は今年5月、『DOOM』の非公式・精神的続編『SIGIL』を配信。93年に発売された『DOOM』の無料mod(megawad)として公式サイトからダウンロードできる。『The Ultimate Doom』エピソード4「Thy Flesh Consumed」後の展開を描くものであり、9つのシングルプレイ用レベルと9種類のマルチプレイ用マップ(デスマッチ)が収録されている。

そんなRomero氏がThe Guardianのインタビューに応じ、現代シューターについて抱いている思いを述べた。Romero氏は、id Softwareの『DOOM』『DOOM II: Hell on Earth』『Quake』『Wolfenstein 3D』などでシュータージャンルの礎を築くことに貢献した人物。ただ近年のシューターについては、必ずしも好意的な印象を抱いているわけではないようで、「親しみを持てない物を大量に渡されるよりも、深い価値を備えた少数の物を得られる方が好きです」と語っている。「ひとつの銃の開発に時間をかけることで、その銃に関するクールな事柄をたくさん学べるような、意味深いデザインに仕上げる方が私は好きなんです」。

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*『SIGIL』アナウンストレイラー

戦うたびに大量の新武器が降り注ぐことから、現代のシューターはファンタジーRPGに近いとRomero氏は自身の考えを述べており、「武器を投入すればするほど、“インベントリーゲーム”をプレイする時間が増える」と指摘している。Romero氏は特定のゲームを例として挙げているわけではないが、Romero氏の発言にもっとも当てはまるのは、近年のルートシューター作品だろう。戦利品の入手、厳選、検証は、ルートシューターならびにハクスラ系アクションRPGの基本的なゲームプレイループではあるが、Romero氏はそうした銃を使い捨てるスタイルのゲームを好まないのかもしれない。比較として、93年の『DOOM』に含まれていた武器は8種類のみ。ゆえに新しい武器を入手した際、それまで使っていた武器が無用にならないよう考慮する必要があったと述べている。弾薬の消費量や発射精度などのバランスを調整することで、武器ごとに異なる役割を生み出していた。

また現代シューターでは、往年のFPSにあったような隠し部屋が少ないことにも言及。開発コストが高騰したことで、ゲームにとって必須ではない要素を付け足すことが避けられがちになったと嘆いている。96年の『Quake』の時点ですでに、隠し部屋を作ることがリソース的に難しくなってきたことを感じたそうだ。また現代シューターは現実的な世界観を好む傾向にあり、隠し部屋のような実験的な要素や抽象的なステージが入る余地がなくなっているとも伝えている。

確かに大作シューターからはRomero氏が語るような傾向が見られるかもしれないが、インディーシーンでは90年代FPSのリバイバルが盛んであり、『DUSK』『Amid Evil』『Ion Fury(旧名:Ion Maidan)』『Prodeus』『WRAITH: Aeon of Ruin』といったレトロスタイルの新作が次々で出てきている。『DOOM』や『Quake』の血筋を継ごうとするタイトルが無くなったわけではない。今年『SIGIL』を配信したように、Romero氏としては自身が関わったような90年代FPSの系譜でのジャンルの進化を望んでいるのかもしれない。

なおJohn Romero氏と妻Brenda Romero氏のスタジオRomero Gamesは、Paradox Interactiveと提携し、今年6月に新作『Empire of Sin』を発表している。1920年代、禁酒法時代のシカゴを舞台にギャング同士の抗争が描かれるストラテジーゲームだ。『XCOM』風のターン制バトルや、街の支配権を巡り地下組織が対立するフィルム・ノワール調の物語が特徴。2020年春、PC/MacおよびPS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに発売予定となっている。

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