Nintendo Switch『リングフィット アドベンチャー』が深刻な入手難に。楽しくムキムキになれるとクチコミを呼び、再入荷も瞬殺

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任天堂より発売中のNintendo Switch向け『リングフィット アドベンチャー』の入手難易度が上がっているようだ。同作において品切れが続出していることは先日弊誌でも報じた。それから何度か再入荷がなされているもののすぐに売り切れており、その入手難は深刻になりつつある。

具体的には、週末にかけて製品が再入荷され、先日11月11日にはAmazon.co.jpに在庫が復活したとJapanese Nintendoが伝えていたが、すぐに在庫切れマイニンテンドーストアはもちろん品切れ状態で、ヨドバシカメラも全国で在庫切れ。AUTOMATON編集部は大阪にもあるが、筆者が11月の週末に大阪の電気街・日本橋を歩いた際には、どの小売店舗も軒並み品切れ状態にあった。品切れ具合はその土地に依存すると思われるが、全国各地で在庫切れ報告がなされていることから、入手難易度が高まっていることに疑いはないだろう。

 

楽しくエクササイズ

『リングフィット アドベンチャー』は、10月18日に任天堂より発売された「冒険しながら、フィットネス」を謳う体感ゲーム。付属するレッグバンドにJoy-Con(L)を、リングコンにJoy-Con(R)を挿し込む。リングコンは電子機器となっており、伸縮するだけでなく、力を感知するセンサーが搭載されている。レッグバンドにて下半身の動きを、リングコンにて上半身の動きを感知する仕組み。筋トレやヨガ、有酸素運動をすることでゲームを遊ぶシステムだ。

ゲームとしては、レール型のステージを進んでいくアドベンチャーモードが用意されている。そのほか筋トレやヨガは単体でもすることができ、多岐にわたるミニゲームも存在。テレビなどを見ながらリングの押し引きを楽しむ「ながらモード」も。しかしながら、やはりメインとなるのはアドベンチャーモード。ジョギングをしながら仕掛け豊富な道を進み、敵と戦闘していくストーリーモードである。

『リングフィット アドベンチャー』内でたびたび登場する言葉である、「楽しくトレーニングしよう」。アドベンチャーモードでは、その言葉を裏切らない、多岐にわたる遊び心あふれるエクササイズがプレイヤーを待つ。有酸素運動の礎となるジョギング(足踏みの代わりに屈伸を設定可)に、階段や沼の移動では太腿あげ。フィールドに落ちているオブジェクトを入手したい場合は、リングを押したり引いたりすることも。戦闘では攻撃方法を任意に選択することができ、スクワットを中心に数多くのトレーニングで敵とのバトルを楽しめる。それらがゲームとして巧みに落とし込まれており、同じことを続けさせられないので飽きることもない。鍛錬だけでなく、エンターテインメントとして楽しめる作品になっているのだ。

多彩なトレーニングとゲーム性の融合、そしてそれらのアクティビティを促す、応援やヘルプなどゲーム内サポート(ゲーム内ではしばしば褒められる)。洗練されたゲームデザインによってゲームとして高い評価を獲得している『リングフィット アドベンチャー』。さらには、SNSでは同作の“過酷さ”にまつわるウィットに富んだツイートが日夜生まれているほか、VTuberなどの実況も盛り上がっており(関連記事)、一般層だけでなくコア層も巻き込み、話題を呼んでいる。SNSや動画でのシェアでは辛さが強調されがちであるが、根本としてエクササイズに楽しさや面白さが存在する点は留意しておきたい。

※ 特にTwitterユーザー小森雨太氏による、製品内容の特徴を的確につかんだユーモラスなツイートの数々が連日シェアされている

 

過酷なRTA

また『リングフィット アドベンチャー』においてはRTA(スピードクリア)もその過酷さに注目が集まっているようだ。体感ゲームである本作では、RTAでは独自のルールが定められている(Speedrun.comのレギュレーションより)。

・時間計測のスタートはアドベンチャーモードのマップでキャラを操作できるようなったタイミング。
・時間計測の終わりは、ステージ最後にビクトリーポーズをとった時。
・新たにセーブデータを作り始めなければならない。
映像による証拠が必須。
・Intendedカテゴリーでは、エクササイズをする際には映像で明確に身体を映さなければならない。
・プレイで採用する運動強度レベルを、最初か最後に見せなければならない。
・すべてのアクティビティは、規定の運動しなければならない。運動による挙動騙しは許されない。
・Joy-Conやリングコンの測定の不正は禁止。

ルールとして重要なのは、「映像で見せること」と「運動強度の設定」。映像については前述した通り。運動強度については、本作ではプレイヤーの運動レベルにあわせて強度が設定可能で、その設定レベルにあわせたエクササイズが提供される。具体的には、運動強度によって敵を倒すまでに必要なエクササイズ回数などが変わるのだ。RTAのカテゴリーとしては運動強度1と30に分かれており、最速タイムも12分ほど差がついている。もはや別競技である。

あまりにも過酷なRTAということで、ぶっ続けのフルでゲームを完走しているユーザーはいないようだ。同作のRTAに参加しているプレイヤーは、もちろんプレイ映像だけでなくプレイヤー自身もしっかり映している。本日ステージ1の最速クリアを9分15秒に塗り替えたZimbo氏も、しっかり上体を激しく揺らしながら最速クリアを達成している。テクニックとしては、エクササイズの所要時間の少ないスクワットとバンザイプッシュを柱としている。本作では同じエクササイズを連続してできないことから、このふたつのローテーションとなっているわけだ。特にスクワットについては、運動負荷が高いことから、氏も息を切らしている。そのほか、また太腿あげが必要な階段に入る際には、空を飛んでおき太腿あげを少しでも減らすなど、細かな工夫が感じられるだろう。

そうした話題性による人気沸騰、そして再生産に手間のかかるハードウェアを付属するタイトルということで、『リングフィット アドベンチャー』が現在入手困難となっていると予想される。発売から1か月経過するということで、同作をプレイしている人々にそろそろ効果報告が出てくる頃。さらに年末に入ることで、さらに需要が高まっていくことが予想される。再入荷のペースや量次第であるが、こうした入手難はしばらく続きそうだ。

入手するためのヒントとしては、ヨドバシ.comのように、取り寄せでの注文購入をしておいて、入荷し次第発送される予約形式のサイトを利用するのがいいかもしれない。また現地で入手したい場合は、たとえばトイザらスやイオンのゲームコーナーなど、メイン客層が子供の小売店では購入しやすいという報告も見かける。ゲームの完成度が高いだけに、遊ぶプレイヤーが増えればクチコミが拡大され、入手が難しくなりそうだ。すでに品薄状態であるが、この年末に楽しく筋肉をつけたい方は、はやめに入手手段について考えておくといいかもしれない。

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