『ゴーストリコン ブレイクポイント』批判を受け、より没入感のある「本格ミリタリー体験」を目指すと発表。ゲーム内エコノミーの見直しも
Ubisoftは10月29日、『ゴーストリコン ブレイクポイント』の今後の計画を発表。コミュニティ内で同作のデザインチョイスについての意見が分極化しており、『ゴーストリコン』フランチャイズの方向性について議論が重ねられていることに触れた上で、ゲームを大きく見直す予定であることを明かした。目標は、「本格ミリタリー体験」というシリーズのビジョンに合う、より没入感のある『ゴーストリコン ブレイクポイント』に仕上げることだ。また同作のゲーム内エコノミーに関する批判も把握しており、プレイヤーのフィードバックに基づき調整している最中であるとも伝えている。
新作にて導入された新要素は、プレイヤーの一部に受け入れてもらえたが、改善の余地があることは理解していると説明。サバイバル要素がゲームプレイにもたらす影響の度合いを高めてほしいという要望や、RPG概念を取り入れた装備品のプログレッションシステムが嫌いだという意見があることを伝えた。そうしたプレイヤーからのフィードバックや『ゴーストリコン』のビジョンを踏まえて、ゲームの見直しが図られる。また『ゴーストリコン』シリーズは「選択の自由」を大事にしていることから、プレイヤーの好みに応じてゲーム体験を調整できるようにもしたいと述べている。詳細については、今後のアップデートで報告するとのことだ。
同作はローンチ当初からゲームの品質や少額課金制度などさまざまな側面から批判が集まり、売上・評価とも不振。先日にはUbisoftのCEOであるYves Guillemot氏が『ゴーストリコン ブレイクポイント』の反省点を並べ、会社として開発体制を見直すと発表した(関連記事)。結果、今会計年度に発売予定であった『ウォッチドッグス レギオン』『レインボーシックス クアランティン』『Gods & Monsters』は揃って次期会計年度に延期。全社計画に影響を及ぼすほどの険しいローンチであったことがうかがえる。そして今回の発表から読み取れるように、会社の他プロジェクトだけでなく、『ゴーストリコン ブレイクポイント』自体の方向性も見直される。
とはいえ、開発陣の最優先事項は不具合の修正や安定性の向上であり、ローンチ時にはそれらの問題によりプレイヤーを苦しませてしまったことを理解していると伝えている。10月15日に配信されたアップデート1.0.2では数多くの改善が適用されており、11月中旬のアップデート1.0.3ではドローンの展開時に発生する不備、NVGがクロスヘアを妨げてしまう問題、ミッション完了表示などの修正。発射レートの変更などが計画されている。11月下旬のアップデート1.0.3.1では、さらなる改善を推し進めていくとのことだ。
コンテンツアップデートも忘れておらず、エピソード1「グリーンストーン作戦」のコンテンツとして、12月にレイドミッション「タイタン計画」を配信。そのあとに「ターミネーター」ライブイベントが開催される。リリース前に発表されたロードマップによると、エピソード1では定期的に追加される勢力ミッション、PvPアップデート、新クラス「エンジニア」の追加も予定されている。その後のエピソード2~3でも、新しいアドベンチャーやさらなる新クラス、PvPマップ、新レイド、スペシャルイベントなどが追加されていく。なおイヤー1パスを購入すれば、イヤー1の全アドベンチャー、新クラスへの1週間先行アクセス権を得られる。
リリース前にアナウンスされたAIチームメイトの実装については、時間を要すると伝えている。本作は4人Co-opもしくは完全なソロプレイのためにデザインされたゲームであるため、前作のようなAIチームメイトをゲームに追加するのは難しく、現時点では実装時期は未定となっている。
ローンチ時からゲームの品質や新要素の追加によるアイデンティティクライシス、ゲーム内少額課金に関する批判が相次ぎ、CEOから直接反省の念が伝えられる事態にまで至った『ゴーストリコン ブレイクポイント』。開発陣は最後に、プレイヤーが求めているゲームに仕上げるには時間がかかるとした上で、開発状況をできるだけオープンに明かしていきたいと述べている。また、取り組むべきトピックを間違っていないことを確認するためにも、今後はコミュニティ調査を実施する予定とのことだ。