人気ゲーム実況者Dr DisrespectはMixer移籍に興味なし。「俺はShroudの後を追わない」

夏場からTwitchを主戦場とする実況者のMixer移籍が相次いでいるが、人気ゲーム実況者Guy “Dr Disrespect” Beahm氏は、現時点ではMixerへの移籍に興味を持っていないようだ。

人気ゲーム実況者Guy “Dr Disrespect” Beahm氏は、現時点ではMixerへの移籍に興味を持っていないようだ。夏場からTwitchを主戦場とする実況者のMixer移籍が相次いでいる。『フォートナイト』人気実況者のNinja氏がまず8月にMixerへの移籍を宣言したのち、先週にはエイミング技術に優れた実況者Shroud氏もまたMixerへ活躍の場を移した。シューティングゲームを得意とし人気を獲得してきた両氏がTwitchを離れることになり、次に動向が注目されるのはやはりDr Disrespect氏である。

Dr Disrespect氏は、『Call of Duty』や『H1Z1』、『PUBG』などシューティングゲームを得意とする配信者。確かな腕があり、破天荒で歯に衣着せぬ意見を物申すDr Disrespect氏はパーソナルな部分も含めて、絶大な人気を誇る。配信中に銃撃を受けたり、E3 2019でトイレの様子を配信してTwitchから一時BANを食らったり、話題を欠かない人物だ。そんな背景もあり、Dr Disrespect氏のもとには「Mixerに移籍するのか」という質問が大量に寄せられていたわけだ。しかし、氏は持論を展開しながら、移籍の可能性を否定している。動画はこちら

『Call Of Duty: Modern Warfare』を配信していた氏は、多くの質問にうんざりしながらも舞台裏を明かした。氏によると、Dr Disrespect氏こそが最初にMixerからオファーを受けた実況者なのだという。そしてそのオファーをすでに断ったとも。そして「誰がShroudの後追うんだ」と声をあげ、「次はドクターだぁ?ワシントンでNinjaよりもShroudよりも前にいたのは俺だ!」と宣言。「奴らはナンバーワンを取りたがっていたが、間違いだ」と指摘した。

特にDr Disrespect氏とShroud氏は、奇妙な因縁がある。『PUBG』などで人気を集めた配信者同士であり、ライバル関係にもあるふたり。Shroud氏はDr Disrespect氏がゲーム実況中にブチギレるハイライト映像を見て嘲笑したり、あるいはDr Disrespect氏がスカしたShroud氏を幾度も挑発したり。一方で仲睦まじく交流する時もあり、Dr Disrespect氏が配信中にShroud氏が電話をかけるシーンもあるなど、配信やTwitter上で絡むことはもっぱら。ライバルであり気心の知れた友人同士でもあるふたり。Dr Disrespect氏はそんなShroud氏の後は追わない!と放言しつつ、一方でMixerへ移籍する今後の活躍を祈るともコメントしている。

https://www.youtube.com/watch?v=uwzNlznyZHY

Ninja氏やShroud氏は、マイクロソフトから多額のオファーを受け、Mixerへ移籍したと言われているが、なぜDr Disrespect氏は移籍しないのだろうか。その理由もまたお金であるようだ。Dr Disrespect氏はまずMixerのプラットフォームとしての可能性に疑問を呈している。Twitchはマネタイズの土台もあり、ユーザーのエンゲージメントやセッションも高いプラットフォーム。しかしMixerは今からそれらを強化していく段階。3000万のアクティブユーザーがいるとうたっているが、それはXboxのデフォルト配信プラットフォームであるからだと氏は指摘。実際のエンゲージメントは極めて低いと断言している。

またマネタイズ面においても、Dr Disrespect氏はNinja氏やShroud氏よりも優位にあるとコメント。「あの青髪の男や小さなドラゴンボール男が、俺より稼げると思うのか?いいや。」とバッサリ。それもそのはず、Dr Disrespect氏はTwitchでも屈指の有料購読者を誇る(TwitchTracker)。収益面でのベースが強固である氏にとっては、Mixer移籍はリスクある選択に映るかもしれない。NinjaとShroudなき今のTwitchにて、『Call of Duty: Modern Warfare』の24時間配信で多くの視聴者を集めるなど、現在の状況をうまく活用しているともいえる。

※ 『PUBG』の国際大会PGI2018にて、Dr Disrespect氏と共に登場したShroud氏は、Dr Disrespect氏が2メートルを超える大男ということもあり、身長の低さがいじられる。「なぜみんなそんな背が高いんだ」といじけており、クールな氏としては珍しくいじられたシーンだった。

とはいえ、パフォーマンスこそがDr Disrespect氏の真骨頂。否定的なコメントをしながらも、最終的にMixerに移籍するという展開は、氏の性格を考えると十分に考えられる。10月27日には、『Destiny』シリーズの実況で人気の配信者King Gothalion氏もまたMixerに移籍することが発表された(PCgamesN)。Dr Disrespect氏のスタンスはともかく、マイクロソフトのオファー攻勢がどこまで続くかにも注目したいところだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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