『CoD:MW』ロシアではPS4版のダウンロード販売がおこなわれず。SIEがPS Storeでの取り扱いを拒否

 

Activisionは10月22日、『Call of Duty: Modern Warfare(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア)』のPS4版について、ロシアではPlayStation Storeでのダウンロード販売がおこなわれないことを、『Call of Duty』シリーズのロシア向け公式Twitterアカウントを通じて公表した。

Activisionによると、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の判断によりPS4版のダウンロード販売が見送られたという。理由については明らかにしていない。PC/Xbox One版については、ほかの国と同じように各ストアにてダウンロード販売される。

SIEは、Activisionとのプロモーション契約により本作のベータテストの先行実施や、スペシャルオプスのサバイバルモードの時限独占配信を得るなど、本作に積極的に関わっている立場のはず。しかし、ロシア版PlayStation公式Twitterアカウントの投稿を見てみると、『CoD:MW』について最後にツイートしたのは5月31日まで遡る。これは本作が正式発表された日で、それ以来数々の続報があったにも関わらず沈黙を貫いてきた。

また、9月25日に放送されたSIEの新情報発表・動画配信イベント「State of Play」では、『HUMANITY』と『Wattam』の間に『CoD:MW』の紹介があったのだが、ロシア向けに公開された映像では『CoD:MW』はスキップされていた。上述のツイートにて案内されている、PlayStation Storeでの予約販売のリンクはすでに無効になっており、SIEは9月上旬の時点で、予約購入者に販売中止と返金を案内していたという情報もある(DTF)。

『CoD:MW』は、2007年に発売された『Call of Duty 4: Modern Warfare』のリブート作である。同作では、ロシア国内での政情不安による核の流出危機が、中東の反米組織の活動へとリンクしていく様子が描かれた。一方新作では、アメリカ・イギリス・ロシア、そして中東の架空の国家が絡み合う関係はそのままに、また新たな物語になるとのこと。

本作のキャンペーンモードでは、中東ウルジクスタンの民兵組織ULFとも協力関係を築くことになる。そのリーダーであるファラ・カリム司令官は、本作のメインキャラクターのひとりだ。ここでは詳しくは触れないが、本作では彼女の幼少期に起こった出来事について描かれ、そこにはロシア軍およびその兵士の関与があるという(Kotaku)。

またロシア政府は、ウルジクスタンに展開するテロ組織と、同国の解放を目指すファラ率いるULFを区別することなく、共にテロリストであると位置付けている。そうした物語上のロシアの描かれ方についてロシア国内でどう受け止められるかを考慮し、SIEは本作の直接の取り扱いについて距離を置いたのかもしれない。

先述したように、PC/Xbox One版についてはロシア国内でもダウンロード販売される。Microsoft Storeによると、本作は18歳以上対象としてロシアのレーティング団体PCBPから年齢区分を取得しており、同国で販売すること自体は問題ない。あくまでSIE独自の判断でPS4ダウンロード版の発売が見送られたようだ。ロシアのPS4ユーザーは、パッケージ版を入手して本作を楽しむことになるだろう。

『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』は、PC/PlayStation 4/Xbox One向けに10月25日発売予定だ。