『ポケットモンスター ソード・シールド』新情報が公開され、リザードンがいじられる。高待遇の人気ポケモンに向けられる笑いと皮肉

株式会社ポケモンは10月16日、『ポケットモンスター ソード・シールド』における新情報を公開した。リザードンがキョダイマックスとなることが明かされたが、コミュニティはそんなリザードンを“いじっている”。

株式会社ポケモンは10月16日、『ポケットモンスター ソード・シールド』における新情報を公開した。公開されたのは、キョダイマックスするポケモン5体について。おなじみのポケモンのキョダイマックスした姿が明かされ、その中にはヒトカゲの進化系であるリザードンが含まれていたが、そのリザードンがインターネットコミュニティにていじられている。

『ポケットモンスター ソード・シールド』では、ポケモンが巨大化するダイマックスなる要素が存在する。ダイマックスすると一部能力が強化されるほか、わざもダイマックス級になるという。すべてのポケモンがダイマックスできるが、中にはダイマックスになることでキョダイマックスという形で、姿が変わるポケモンが存在する。キョダイマックスするポケモンたちは大きくなるだけでなく、より個性が際立った姿に変化するのだ。

キョダイマックスしたリザードンは、高さ28メートルになるまで巨大化しただけでなく、体内を渦巻く炎の力が強化され、しっぽや口、角から炎が溢れ出る。翼まで炎で形成されており、灼熱をもって相手を焼き尽くす。キョダイマックスしたリザードンが繰り出すほのおタイプの攻撃は、「キョダイゴクエン」に変化。「キョダイゴクエン」には、攻撃によるダメージだけではなく、ほのおタイプ以外のポケモンに4ターンの間ダメージを与え続ける効果がある。リザードンは、キョダイマックスのすがたとなり、さらに強力なポケモンへと変貌するわけだ。

強くなったリザードンが、何故いじられているのか。それは、バリエーションの多さにあるだろう。リザードンは『ポケットモンスター X・Y』にてメガシンカを果たしている。ほのお・ドラゴンタイプとなるメガリザードンXに、正当進化を遂げるメガリザードンY。メガシンカが2種類用意されるという、VIP待遇であった。そして今作では、メガシンカにかわるキョダイマックスのフォームが用意されている。さらにリザードンは、『ポケットモンスター ソード・シールド』のチャンピオンとして登場するダンデのパートナーであるという設定が明かされている。人気ポケモンといえど、極めて良い待遇を受けているというリザードンは、皮肉まじりにネタにされているわけだ。

ネットミームとしてはたとえば、すべてのポケモンをリザードンの顔にあてはめ、リザードン化されるというもの。ガラル地方の御三家までリザードンにしてしまうコラージュも。すべてのポケモンがリザードンになる。もしくはリザードンが、いつかはすべてのタイプを持つ。そんな風刺が含んだ画像が、SNS上で出回っている。ほかの御三家の炎ポケモンやカメックスやフシギバナがいじけているといったシーンを描く画像も散見される。「もっと多くのリザードンのフォームを用意してくれ!」といった皮肉も。

https://twitter.com/tessquid/status/1184935821662572544

またこの風刺には、リザードンだけでなく、第一世代のポケモンが優遇されているというメッセージ性も含まれているようだ。今回明かされたキョダイマックスのポケモンはいずれも第一世代のポケモン。またアローラのリージョンフォームが導入された際も、対象ポケモンはすべて第一世代であった。長年見慣れたおなじみのポケモンが別の姿になるというのが、リージョンフォームやキョダイマックスの意義のひとつかと思われるが、全世界にファンベースを持つということもあり、カントー地方のポケモンが厚遇を受けることに対して、複雑な気持ちを抱くファンもいるようだ。TwitterやRedditでは、リザードンを題材とした、笑いと皮肉がまじったネットミームが展開されているわけだ。

Image Credit : BellyHunter

リザードンは初代から人気あるポケモンで、かわいいものが多い中で“格好良いポケモン”としてシリーズブランドを引っ張ってきた側面もある。とはいえ、魅力的なポケモンが多い中で、リザードンだけが特別な扱いを受け続ければ、ファンとしては複雑な気持ちを抱いてしまうのだろう。ある意味では、そうしたポケモンごとの待遇について議論をするのも、ポケモンの楽しみ方のひとつといえるかもしれない。

『ポケットモンスター ソード・シールド』はNintendo Switch向けに11月15日発売予定だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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