任天堂が『幻影異聞録♯FE Encore』の表現変更問題について公式声明。謝罪し予約キャンセルを受け付けると発表

任天堂は本日10月18日、2020年1月17日発売予定の『幻影異聞録♯FE Encore』について、公式声明を出した。同作の事前告知内容において、ユーザーに伝える情報に不足および誤りがあったことを認めている。

任天堂は本日10月18日、2020年1月17日発売予定の『幻影異聞録♯FE Encore』について、公式声明を出した。同作の事前告知内容において、ユーザーに伝える情報に不足および誤りがあったことを認めている。

あらためてこの問題について振り返ろう。Wii U向けに発売された『幻影異聞録♯FE』は、世界観やキャラクター、そして戦闘など多岐にわたる面で高い評価を獲得。一方で、国内版から半年遅れの欧米版については、国内版には未成年キャラが多く登場し、そのキャラが肌を露出するシーンがあることも関係してか、設定やテキスト、そして演出やムービーなどに変更が施されていた。『幻影異聞録♯FE』の特徴はそうしたセクシャルな部分だけではないが、オリジナルから表現が変更される点について、議論がかわされることになった。

そして今年の9月、新規要素を含んだ『幻影異聞録♯FE Encore』がNintendo Switch向けに発表された。あらかじめダウンロード販売が開始され、ファンの高い期待を集めていたが、最近になり公式サイトのスクリーンショットが差し替えられ、そのスクリーンショットは欧米版での表現に即したものだった(関連記事)。つまり、Nintendo Switch版が、前述した変更が施された欧米版準拠になることが示唆されていた。Nintendo Switch版が、Wii U向けの欧米版と同じ表現になるのではないかと推測されており、昨日任天堂は、同作の公式サイトおよびストアページにて「本作はWii Uで発売された欧米版『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースに新規要素を追加した全世界共通の仕様です。」との記載を追加していた。

左が差し替え前、右が差し替え後のスクリーンショット

どのような表現が適切かは、それぞれ意見があるにせよ、予約販売を受け付けていたにもかかわらず、表現変更について事前告知しておらず、さらに後日“こっそり”告知文を追加する対応については、消費者から信頼の厚い任天堂らしからぬ対応として、批判が集まっていた。

そんな中任天堂は本日、本件について以下の公式声明を出している。

「『幻影異聞録♯FE Encore』の広報活動においては、当初より同タイトルが『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースとしていることを告知しておらず、また、公式ホームページ上に、本来は同タイトルに含まれていないWii U国内版『幻影異聞録♯FE』のゲーム画面が誤って掲載されていたため、同タイトルの内容について、お客様に誤解を生じうる状態となっておりました。

そこで、2019年10月10日に、ホームページのゲーム画面の差し替えをおこない、同17日には、同タイトルが『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースとしていることを掲載いたしましたが、お客様への情報提供が当初より不十分であったと認識しております。

つきましては、既に「ニンテンドーeショップ」および「マイニンテンドーストア」で『幻影異聞録♯FE Encore』をご予約・ご購入いただいたお客様で、本件に起因してキャンセルをご希望の皆様に対しては、後日、このページでお手続きについてご案内をいたします。

改めて『幻影異聞録♯FE Encore』が欧米版準拠であること、そして事前告知が適切ではなかったこと、そして公式サイトの情報変更をおこなっていたことを認めている。また予約キャンセルを受け付けるとも言及している。

Nintendo Switch版は、全世界での同時発売や、本体の言語関係の問題という事情もあり欧米版が準拠になったのだろう。憶測の域は出ないが、昨今のジェンダー問題を意識し、未成年の性表現という点で配慮する必要があったのかもしれない。いずれにせよ、適切な事前告知がされない状態で予約を受け付けし、そして静かに公式サイトに追記する対応をとっていたことについては、不義理な一面もあった。任天堂はそうしたユーザーの意見に耳を傾け、今回の対応がとられたのだろう。

なお弊誌は本件の対応について任天堂に問い合わせをしていた。任天堂の担当者は、弊誌の問い合わせに回答。社内で対応を進めていたとし、今回の声明を掲示する冒頭のURLを案内している。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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