市民虐殺オープンワールドFPS『POSTAL 4: No Regerts』Steam早期アクセス販売開始。ポスタルシリーズ新作


『POSTAL(ポスタル)』シリーズで知られるゲームデベロッパーRunning With Scissorsは10月14日、約8年ぶりとなるナンバリング新作『POSTAL 4: No Regerts』(以下、POSTAL 4)のSteam早期アクセス販売を開始した。日本語は非対応。通常販売価格は2050円で、10月22日までは10%オフの1845円で購入できる。

『POSTAL』は一般市民虐殺シューターとして知られる人気シリーズ。1作目の見下ろし視点からFPSに変化したシリーズ2作目では、妻からおつかいを頼まれた主人公ポスタル・デュードが自由気ままに殺戮の日々を送っていた。今回発表された新作では、ポスタル・デュードが新たな住処を求めてアリゾナ州Edensinを訪れる。新作トレイラーにも映っているように、町の住民にガソリンをかけて燃やしたり、大量のハトを仕向けて人々を襲ったりと、相変わらず多彩な手段で悪事を働くことができる。放尿メカニックも健在で、ウォーターガン型の武器「Spurt’n’Squirt’」に尿を入れて散水することも可能だ。

オープンワールドFPS『POSTAL 4』の物語は、『POSTAL 2』のように5日構成となっており(月曜日から金曜日まで)、曜日ごとに異なるおつかいをこなすことになる。殺戮の限りを尽くすのか、非殺傷の道を歩むのか、おつかいのこなしかたはプレイヤー次第。舞台となるEdensinは、日数が経過するにつれて新しいエリアが開かれる仕組みとなっている。なおポスタル・デュードの声は、1~2作目のRick Hunter氏が続投できなかったため、ベテラン声優のJon St. Johnを起用。Duke Nukemの声として有名な人物である。

早期アクセス開始時点では月曜日のコンテンツのみが実装されており(おつかいは3つ)、ゲームへの導入部分ということもあって『POSTAL』シリーズの特徴である風刺やパロディはあまり多く含まれていないが、今後のアップデートでは、過去作よりも常軌を逸したユーモアを届けられるだろうと開発陣は伝えている。

扱える銃器の種類も豊富に用意する予定であり、ショベルや猫サイレンサー付きの銃のようなシリーズの代表的な武器から新種のものまで。新しいパワーアップやアイテムとあわせて、今後のアップデートにより追加されていくとのことだ。また現時点では町に警察がいないため犯罪し放題であるが、将来的には指名手配メーターとともに警察が出動し始める。

今作の開発費は、これまで過去作の売上によりカバーしてきたが、チーム拡大にあたりSteamの早期アクセスプログラムを介してコミュニティを巻き込むことにしたと、Steamストアページ上で説明されている。いくつかのパブリッシャーにもアプローチしてみたが、『POSTAL 4』が何かしらの論争を招くことを恐れて契約には至らなかったとのこと。Kickstarterでのファンディングキャンペーンも検討したものの、字面ではなく実際のゲームプレイを見て判断してほしいとの考えから、早期アクセス販売という道を選んだとのことだ。

早期アクセス期間中のロードマップはTrello上に公開されている。まずはバグ修正や最適化、アート/レベルデザイン、NPC経路探索の改善を進めつつ、任意おつかい、指名手配メーター、ショップ、自殺機能の追加を予定。その後もペットとのふれあい、自販機、猫グレネード、字幕対応などの追加や、正式リリース後のCo-op機能の実装が計画されている。具体的な早期アクセス期間に関しては未定となっている。

なお好評を博したシリーズ1~2作目から一転、ロシアのパブリッシャーAkellaにアウトソースした『POSTAL III』は不具合が多く酷評され、Running With Scissorsの公式ストアからも削除された。そうした経緯もあって今作を『The Real POSTAL 3』『POSTAL 2×2』などと名付ける案もあったそうだが、『POSTAL』フランチャイズの新作であることが明確になるよう『POSTAL 4』というタイトルに落ち着いた。ストアページ内の開発者注意書きにある「『POSTAL III』のようなひどいゲームにはなりませんよね?」という設問には「Fuck no!」と答えており、1~2作目のような内製開発作品であることを強調している。