「ジョン・ウィック」の前日譚描く『John Wick Hex』配信開始。映画原作の「ガン・フー」を、ストラテジーゲームとして再現する試み

映画「ジョン・ウィック」の前日譚描く『John Wick Hex』配信開始。『John Wick Hex』では、映画「ジョン・ウィック」のガン・フーアクションを、ストラテジーゲームとして再現しようとしている。

ゲームパブリッシャーGood Shepherd Entertainmentは10月8日、『John Wick Hex』をEpic Gamesストアにて発売した。対応プラットフォームはPC/Macで、販売価格は2080円。ローンチ時点では日本語に対応していない。

開発はLiongate GAMES協力のもと、ゲームディレクターMike Bithell氏率いるBithell Gamesが担当。これまでに『Thomas Was Alone』『Volume』といったミニマルなデザインの作品で評価を固めてきたスタジオだ。今作では映画原作のクリエイティブ/スタントチームと連携しつつ、銃撃とカンフーを融合させた「ガン・フー」アクションを、見下ろし視点ストラテジーゲームで再現するという試みに挑んでいる。

物語としては映画「ジョン・ウィック」シリーズの前日譚という位置づけとなっており、主人公ジョン・ウィックが殺し屋を引退する前の出来事が描かれる。謎の人物Hex(声:トロイ・ベーカー)に捕われた、コンチネンタル・ホテルのオーナーWinstonとコンシェルジュCharonを救出すべく、ジョン・ウィックが全7ステージに渡り死闘を繰り広げる。WinstonとCharonの声は、映画で同キャラクターを演じているIan McShane氏とLance Reddick氏がそれぞれ担当している。なお主人公ジョン・ウィックは寡黙なキャラクターであり、声はあてられていない。

ゲームプレイとしては、一部リアルタイムの見下ろし視点型ストラテジーゲームとなっている。ジョン・ウィックが静止している間は時間の流れが止まり、次の行動をじっくりと練ることが可能。移動、攻撃、銃の装填、体勢変更など、各種行動には所定のアクションタイムがあり、画面上部にアクション完了までに要する秒数がタイムラインとして表示される。さらに攻撃は準備と実行フェーズに分かれており、実行フェーズに移った段階で命中判定とダメージが適用される。

主人公だけでなく、視界内にいる敵の行動およびアクションタイムも表示される。うまく画面上部の表示情報を考慮しながら、次の一手を決めていくのだ。そしてひとたびジョンが行動を開始すると、アクション完了もしくは中断までリアルタイムで時間が流れる。近接攻撃を仕掛けると、敵にダメージを与えるとともに一定時間のスタン効果を付与。ただの肉弾攻撃だけでなく、プッシュやテイクダウン、パリィが可能となっている。

もちろん銃撃も選択肢のうち。ジョン・ウィックは銃格闘の達人とはいえ、敵との距離が離れていると命中率が落ちる。障害物に隠れながら近づいたり、身をかがめたりすることで命中率を上げるのだ。なお近接格闘や回避行動はフォーカス値を消費。すると攻撃の命中率や回避率が下がる。フォーカス値の回復には時間を要するため、敵に囲まれた状態では実行しづらい。弾薬・体力・時間・フォーカスをうまく管理しながら戦う、もしくは敵の包囲をすり抜けていくのだ。

難易度は通常の「OPERATOR」と、次の行動を決めるまでの猶予が5秒に制限される「EXPEDITED」の2種類が用意。チュートリアル以降のステージでは、敵地に向かう前の計画フェーズにて「コンチネンタル・コイン」を消費することでスーツを強化できる。回避行動に必要なフォーカス値を減らしたり、特定攻撃の射程距離を伸ばすといった具合だ。なおステージは複数の小エリアに分かれており、各エリアをクリアすると、リアルタイム・リプレイを見ることができる。やや不自然なアニメーションが目立つが、自分の行動を振り返る良い機会となるだろう。

映画原作のスタイリッシュなアクションを、コンマ1秒単位の判断を投げかけるストラテジーゲームとして再現した『John Wick Hex』。「ジョン・ウィック」の物語を広げるオリジナル・ストーリー付きで、Epic Gamesストアにて販売中だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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