大人気いたずらガチョウシム『Untitled Goose Game』売上はすでに10万本を突破。開発のきっかけはひとつのジョーク

ドタバタアクション・ステルス・サンドボックス・ガチョウシミュレーター『Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜』。本作の売り上げについて、開発元のHouse Houseは10万本を超えていることを明かした。

Nintendo Switch/PC向けに9月20日に発売された、ドタバタアクション・ステルス・サンドボックス・ガチョウシミュレーター『Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜』。本作の売り上げについて、開発元のHouse Houseは地元メディアABC Newsに対して、10万本を超えていることを明かした。

本作のリリース直後、地元オーストラリアでのニンテンドーeショップのダウンロードランキングのトップに本作が位置していたことに、同スタジオは驚きと共に奇妙な気分であるとコメントしていた。また、各国のニンテンドーeショップを見てみると、本作のNintendo Switch版は本稿執筆時点で日本ではランキング6位、アメリカやイギリスでは1位をキープしている(直近2週間のダウンロード数)。

『Untitled Goose Game』は、ガチョウとなって街を散策。ToDoリストにある目標をこなすために、街の人々にイタズラを仕掛けていくゲームだ。物をくわえたり、ガアと鳴いたり、あるいは走ったりといった少ないアクションの中で、周囲の環境も利用しながら、街の人のさまざまな反応を引き出していく。ポップなグラフィックスタイルを採用しつつ、ガチョウの動きはリアルさを感じられ、そのガチョウが愉快なイタズラを次々におこなう様子が笑いを誘う。

本作の発売以降(あるいはそれ以前から)、ほかのゲームにガチョウを登場させたり、あるいはその逆を描いたマッシュアップなど、さまざまなファンアートがSNSに多く投稿されている。もちろん本作をプレイした感想の投稿も多く、中には息子にプレイさせた父親が、「いい子になんてなりたくない。ガチョウになる」と言われ、「俺はなんて事しちまったんだ」と困り果てる様子も。

このほか、New York TimesやBBCなどの一般メディアも本作を取り上げており、いたずらガチョウの存在は瞬く間に広く伝わっていった。開発元House Houseは本作について、ゲーマーでない人々の興味を引くことを目指していたそうで、そうした人たちが本作について語っている様子に興奮しているとコメントしている。

ちなみに、本作の開発のきっかけは1枚のガチョウの画像だった。チーム内で共有し、ガチョウの特徴を挙げている様子が公開されている。ただ、次回作のアイデアはほかにもさまざまあり、当時はジョークを言い合っていただけだったそうだ。そして、そろそろ真面目にやろうと用意していたアイデアに取り組むも、結局上手くいかず。そして、「そういえば、あのガチョウはどうだ?」と思い出し、ガチョウも“真面目なアイデア”に昇格したという(Vulture)。

大きな反響を得た『Untitled Goose Game』が、開発チーム内でのちょっとしたジョークから始まったというのが意外だが、多くの人々の心を捉えることができたのは、ガチョウの魅力を引き出す開発元House Houseの丁寧な作品作りがあってこそだと言えるだろう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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