『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編のあの映像をN64風に再現するユーザー現る。ゼロから執念の再現


今年のE3にて電撃発表された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編。リンクとゼルダが登場しながらも、不穏さをにおわせる示唆に富んだ映像は、ファンを興奮させたことだろう。そんな公開映像を、NINTENDO64風に再現したユーザーが現れた。

渦巻く緑の瘴気。松明を持つリンクとゼルダ。ネズミを飲み込む瘴気。その後の示唆的な場面も含めて、すべてのシーンが、懐かしの64グラフィックで描かれている。グラフィックがN64風なだけでなく、一部シーンでは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』『ムジュラの仮面』でのCボタン採用のUIもチラ見せされており、こだわりがうかがえる。もちろん、最後の「続編開発中」の文言も当時の解像度によるテキストで表示されている。オリジナルの映像と比較してみれば、その再現の忠実度がわかるだろう。

この映像を作り出したのはThe Regressor氏。モデリングとアニメーションスキルを持ち、ローポリゴンへの愛着を持つ人物だ。サウンドについてはVince94氏の提供を受けたものの、絵作りはThe Regressor氏がひとりですべて作り出したとのこと。この手のパロディ映像は、素材に既製のゲームのデータを流用したいわゆる“ぶっこ抜き”が使われることが多く、問題視されることもあるが、今回の映像の素材はすべて氏自身がMaya 2009とPhotoshopでゼロから作り出したのだという。

ビデオフレームはネイティブでは解像度240×320の30fpsで描写されるが、意図的に15-18fpsにフレームポスタライズし、アンチエイリアスなしで拡大表示。そこからイメージソフトニングし1920×1080のフルHDとしてアップロードしたという。4:3画面ということで、両帯に黒枠が入っている。当然、映像品質は意図的に“悪く”作られているという。氏の目標は、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』『ムジュラの仮面』の映像表現を、NINTENDO64(64DD)のスペックを踏まえて技術的にできるだけ正確に描写すること。当時の映像としていかに違和感なく再現されるか。そんなこだわりが随所に込められているだろう。なんとも愛を感じさせる作品に仕上がっている。

※RPG Fanによる比較映像

なお任天堂は先日、続編に携わる「3DCGデザイナー(地形)」と「レベルデザイナー」を募集していた。「3DCGデザイナー(地形)」については9月30日まで応募を受け付けていたが、現在応募終了。アートディレクターである滝澤智氏らが続編の展望を語る求人向けインタビューの掲載も終了している。おそらく制作は着々と進んでいるのだろう。ファンメイド映像などを見ながら、新情報の公開を楽しみに待っておこう。