ガチョウいたずらアクション『Untitled Goose Game』スピードラン記録が4分を切る。柵のすり抜けによりパズルを全てスキップ

『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!』のスピードラン記録が4分を切る。すり抜けグリッチにより『Untitled Goose Game』のパズルを全てスキップしている。

House HouseとPanic Incが9月20日に発売した『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!』(以下、UGG)。「アクション・ステルス・サンドボックス・ガチョウシミュレーター」と銘打たれた本作は、平和な村に現れた名もないガチョウとして、さまざまなお題(いたずら)をこなし、人々の生活を邪魔していくユーモラスなゲームである。

「おじさんを濡らす」「男の子を電話ボックスに閉じこめる」「紳士を裸足にする」といったお題を達成するためには、どんないたずらをすればいいのか。物を隠したり、鳴き声で陽動したりと、パズルを解く感覚で先へと進めていくお茶目な作品だ。お題の達成速度にもよるが、およそ2~3時間でクリアできるようになっている。

*ローンチトレイラー

コンパクトなつくりということもあって、発売以来RTA(リアルタイムアタック)が盛ん。パズルの早解きにより時短を図る「グリッチ無し」ルートでは、本稿執筆時点でPotatoPhusion氏が17分39秒を記録している(speedrun.com)。無駄を省いた高速いたずら劇は見ていて心地が良い。

一方、パズルを極力スキップしようとする「グリッチ有り」ルートの本稿執筆時点での記録は、なんと3分46秒。カップ麺がちょっとのびる程合いの短時間でゲームをクリアして見せたのは、PC版でプレイしているSeji氏だ。

*以下の動画・文章には『UGG』のネタバレが含まれています

 

『UGG』のマップは最初から最後までひとつながりになっているほか、グリッチによりパズルをスキップしても攻略に支障のない構造になっている。そこでSeji氏は、マップ各所にある柵をすり抜けることで、全てのパズルをスキップするルートを構築したのだ。この柵のすり抜けは、Seji氏のRTAルートの肝となっている。

まずニューゲームを開始したら、ホースの蛇口をひねり農園のおじさんの注意を惹いた上で、おじさんに見えるようにラジオを盗む。ここで距離感を間違えると、おじさんに追いつかれてしまう。もしくは、おじさんがラジオを取り戻すことよりも蛇口を閉める方を優先してしまう。うまく距離感を保ち、ラジオをくわえたまま酒場に面した柵に向かうSeji氏。柵に到着したら、かがんだ状態で「くわえる」「走る」を連打。するとおじさんに押し込まれるような形で柵をすり抜けられる。

その後は投げ輪をくわえ、似た要領でミニチュアガーデンに面した柵をすり抜けることに。計3回のすり抜けにより、本作のパズルを全てスキップして、目的地であるミニチュアベルの在り方へとたどり着ける。ミニチュアベル入手後も柵すり抜けテクニックを使ってショートカットを繰り返し、ゴール地点となるお家へと帰還。なお検証したところでは、ミニチュアガーデンから酒場に戻る際の柵すり抜けが最難関となっており、コツを掴むのにもっとも時間がかかる箇所であるように感じた(上のSeji氏動画の2:33地点)。

柵のすり抜けテクニックの習得難度は低めであるが、Seji氏のように一発で確実に成功させるには練習が必要。『UGG』は発売されてから日が浅く、さらなるルート開拓により今後もタイムは縮んでいきそうだ。もちろん、本作は本来、柵のすり抜けテクを磨くゲームではない。かわいらしいビジュアルに癒されながら、いたずらパズルを楽しむのが想定された遊び方だろう。まずは正攻法でゲームを遊び、興味がある方は、余興としてパズルの早解きや柵のすり抜けを使ったRTAを試してみてはいかがだろうか。

『UGG』はPC/Mac(Epic Gamesストア)およびNintendo Switch向けに販売中だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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