『スーパーマリオメーカー 2』では、さまざまなアイデアによりバラエティ豊かなコースが生まれている。そんなコースの中で、ひとつ風刺的なコースが登場し注目を集めている。コース名は「Online Multiplayer Lag Simulator(オンラインマルチプレイ・ラグシミュレーター)」である。
職人名Grarrg氏がつくった「Online Multiplayer Lag Simulator」の説明はやや複雑。「真実の悲劇に基づいたシミュレーションを、シングルプレイでも体験できる」というもの。まわりくどいが、つまるところオンラインマルチプレイのラグという悲劇を、シングルプレイでも味わえる、といったところだろう。クリア率は92%程度の、いわゆる一発ネタコースである。コースIDはF5F-M74-7RF。
コースを開始すると、プレイヤーはファイアフラワーを取り扉に入る。扉の先では、石ブロックに挟まれて移動していく。右に自動的に進んでいくわけであるが、先へいくほどキャラの動きが重くなっていく。移動が終了し到達した先には、ブンブンが4体。この4体を倒すありふれたミッションであるが、キャラの動きは極めて重くなっており、通常の半分以下程度のスピードでバトルが要求されるのだ。
ギミックとしては、ジャンプ台の処理に依るところが大きいだろう。石ブロックに挟まれ進んでいく間にジャンプ台が増殖していき、ジャンプ台の出現量に比例して、徐々に処理が重くなっていく。そして最終的に、通常のプレイでは考えられないほどスローなプレイが展開されることになる。接続状況の悪いマルチプレイでも、同じような状況が確認できることだろう。
実は、処理落ちを利用したスローモーション的な演出は、『スーパーマリオメーカー』でも用いられており、同作においてはPOWブロックを用いた処理落ちが散見されていた。今作では、ジャンプ台がより有用ということなのだろう。『スーパーマリオメーカー 2』のマルチプレイでは、接続相手の環境次第ではラグが発生する。現象としては前作から登場していたが、この処理をマルチプレイのラグに照らし合わせたことにより、ちょっとした皮肉に仕上げられているわけだ。
ちなみにこちらのコースは8月1日に投稿されていたが、複数の『スーパーマリオメーカー』系インフルエンサーにピックアップされたことにより、8月末より脚光を浴びている。投稿した本人も「僕のバカげたコースが、こうもいきなり人気になるなんて」と困惑しながら喜んでいる。マルチプレイのすべてが、同コースのようにラグいわけではないが、接続の仕様上ひとりでも環境が悪いプレイヤーがいれば、ほかの3人のオンライン体験は悪化しやすい。そうした環境へのコース職人の葛藤が、今回の処理落ち演出には込められているのかもしれない。
Well, i didn't expect one of my silly levels to go viral all of a sudden.. #SuperMarioMaker2 #NintendoSwitch F5F-M74-7RF pic.twitter.com/ceEnvof9rq
— Grarrg (@Grarrg) September 1, 2019